■大人向けアニメとしての地位を確立したテレビ版『攻殻』

 続く第2位(12.0%)にランクインしたのは『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』。

 原作は士郎正宗氏による漫画で、シリーズ全体の流れは電脳化が進んだサイバーパンク的世界を舞台に、主人公の草薙素子たち公安9課のメンバーがサイバー犯罪の捜査や、テロの阻止をするといったもの。

 1995年に押井守監督による劇場用映画『攻殻機動隊』が放映された後、2002年に田中敦子や大塚明夫や山寺宏一といった声優陣はそのままに、神山健治監督によってテレビアニメ第1作が放送された。

 多くの人物が身体を機械化していたり、電脳化している近未来の世界観。汚職問題、人間の心のゆくえといったハードボイルドな内容を取り上げて「大人向けアニメ」としての地位を獲得した。2002年はツイッターはおろか、フェイスブックもミクシィもなかった時代。いつか『攻殻』のような未来が訪れることを想像しながら見ていた人もいたのではないだろうか。

 アンケートでは、「声優も豪華で毎週作られていたのが奇跡のような作品」(40歳・男性)「菅野よう子さんの音楽がすごくかっこよかったので」(41歳・女性)、「笑い男事件は今見ても斬新だと思う。SACを見てサリンジャーを読むほど影響されたアニメです」(39歳・男性)、「サイバーパンクな雰囲気と社会派な内容だったのが良かった。あと菅野よう子さんの音楽もとても良かったから」(35歳・女性)と今でも決して色あせない作品の魅力に対する声が多くみられた。

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