こんにちは、ゲーム芸人のフジタです。今回のテーマはファミコン時代の「裏技」についてです。この頃の裏技の中には、ハシゴの上段にいることで敵に触れてもやられない『ロードランナー』のような、バグが裏技として広まったもの。また『グラディウス』のコナミコマンドのように、デバッグ用に仕込んだコマンドがそのまま残されてしまった裏技までさまざまあります。
さて、そんな裏技全盛期だったファミコン時代。当時の子どもたちをもっともビビらせた裏技は何でしょうか。
■裏技に衝撃も、無敵『ゼビウス』が与えたデメリット
まずはなんといっても『ゼビウス』の無敵コマンドでしょうか。
1986年以降は無敵コマンドも多数出てきたので、新しく発見されてもさほど話題にはなりませんでしたが、ファミコンの『ゼビウス』が発売されたのは1984年。無敵コマンドがまだそれほどなかったこの時代に、ゲーセンで大人気だったゼビウスに裏技があるという情報にどぎもを抜かれました。
ゼビウスの無敵コマンド、これがなかなか難しいコマンドでもあります。
オープニング画面で星が左から右に移動している間に、2コンのAボタンかBボタンを押しながら、右を9回、上を2回、左を2回、下を9回押すというもの。これが入ると、タイトル画面の右上に8桁の「0」が表示されるので、一番左の0を1に変えることで自機が無敵状態になります。なお1の部分を他の数字に変えると他の効果があったりもします。
これは開発段階でのデバック用のコマンドが残された、もしくはそのまま消し忘れてしまったため生まれた裏技だと思われます。
ところで、今の最新機でのリバイバルゲームにも言えるのですが、無敵については「肯定否定論争」があります。どこでもセーブや巻き戻し機能、難易度設定や無敵設定はアクションやシューティングゲームが苦手なプレイヤーにはありがたいです。ですが、あまりにもマイルドにしてしまうことで、何もかもがゴリ押しで最後までいけてしまい、クリアの達成感もなくなってしまうという一面もあります。
何かいけないことが起こったときに、リセットしてセーブポイントに戻す手法は昭和からありました。ですが「取り返しがつかない」「死んだら最初から」などなど負けたときの非情とも思えるようなペナルティがあったからこそ、緊張感があってクリアしたときの喜びも味わえたと思うんです。
ゼビウスの無敵は発見された当時は子どもたちに大きな衝撃を与えましたが、これによって、すんなり一周やカンストができてしまい、ビビったのと同時に、腕を競わなくもなってしまいました。