■トンネルにあるはずのない部屋?どこまでも追跡するスタンド
続いて紹介するのは、幽霊や都市伝説がテーマとなった第4部から、噴上裕也が扱うスタンド「ハイウェイ・スター」だ。
噴上本人が明るく憎めないキャラゆえ怖いという印象が薄れがちだが、初登場時の攻撃やその展開など、4部でも不気味レベルの高いスタンドではないだろうか。まず、何もないはずのトンネルの壁に扉があり、中の部屋に引き込まれてしまう。現実世界で考えると、こんなに恐ろしいことはそうそうないだろう。
そして、部屋に対象者が入ることでその匂いを覚えられ、徹底的にあとを追いかけてくる。しかもスタンドの姿はなく無数の足跡がピタピタと迫ってくるだけ。そのうえ猛スピード。時速60キロメートル以上で逃げながら本体を探さなければならないという不気味すぎる展開だった。
また、本体の噴上裕也は倒される直前まで登場せず、本体の分からないスタンドと戦うシーンがずっと描かれた。ほかにもスタンドが先行した例はあったが、ハイウェイ・スターの特性と相まって不気味さがより濃く演出されていたのではないだろうか。
なお最初の部屋には対象人物の興味を引くような幻覚を見せる。完全にトラップハウスで、「人を食べる家」をテーマにしたホラー作品を思い出させる。