17年前の今日、プレイステーション2向けタイトルとして、日本で『メタルギアソリッド3 スネークイーター』(2004年12月16日発売/コナミ)が発売。『メタルギア』シリーズの5作目にあたり、シリーズ最高傑作の呼び声も高い傑作である。
『メタルギアソリッド3スネークイーター』(以下、MGS3)は、ジャングルが主な舞台となっており、サバイバル要素が多数導入。ケガを自分で治す“キュア”や、動植物を確保する“キャプチャー”、装備する迷彩服によって敵兵からの発見率を下げられる“カモフラージュ”、敵の殺害や尋問、無力化が可能な近接格闘術“CQC”など、その内容はさまざまだ。
同作は発売順ではシリーズ5作目にあたるが、時系列順で数えるともっとも古い。舞台となるのは、第二次世界大戦終結後の1964年。世界は、アメリカ合衆国を中心とした資本主義陣営と、ソビエト連邦(以下、ソ連)が率いる社会主義陣営に分かれ、一触即発のにらみ合いが続いていた。対立はあっても直接戦おうとしない状況は“冷戦”と呼ばれ、物語はその冷戦のまっただ中で展開される。
『MGS3』の物語は2部構成になっていて、1つは「ヴァーチャスミッション編」で、ソ連からの亡命を希望する科学者・ソコロフを救出するのが目的。2つ目は「スネークイーター作戦編」で、こちらは核搭載戦車“シャゴホッド”の破壊と、ソ連に亡命した兵士、ザ・ボスの抹殺が目的となる。
両方の主人公を務めるのは、特殊部隊“FOX”の隊員ネイキッド・スネーク。ザ・ボスの弟子であり、後にビッグボスと呼ばれ、伝説となる男だ。本作が最高傑作と呼ばれる理由の大半は、このビッグボスとザ・ボスを中心とした物語にある。
本記事では、そんな『MGS3』の中に登場した、印象的なセリフを4つピックアップして紹介しよう。
※記事内には『メタルギアソリッド3 スネークイーター』の内容が含まれています。ネタバレが気になる方はご注意ください。
■「いいセンスだ」
ソ連領内で行われていたヴァーチャスミッション作戦の途中、ネイキッド・スネークは救出対象の科学者ソコロフの身柄をめぐり、“山猫部隊”の隊長・オセロットと衝突。一足早くスネークを囲んでいたKGB(ソ連の情報機関)の兵士を拳銃1つで全滅させたオセロットは、スネークも仕留めようと銃を向ける。
先手を取られたスネークだが、弾詰まりを起こして焦るオセロットの隙を突き、彼をCQCで圧倒。オセロットが見せた早撃ちに感心したスネークは「いいセンスだ」と称賛した。
このオセロットとは、『メタルギアソリッド』や『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』などに出てきたリボルバー・オセロット本人。過去作では老獪な言動でスネークを翻弄していた彼も、『MGS3』ではまだ青年にすぎない。戦闘中にもかかわらず自分の帽子を気にしたり、やたら一騎打ちにこだわったりと、兵士としての未熟さが作中でも描かれていた。
一方で、「いいセンスだ」という言葉の前に言われた「どちらかと言うとリボルバー向き」という助言に従い、のちにスネークと再会した際は弾倉式をやめてリボルバー式の拳銃を携えるという意外な一面も見せる。
オセロットのプライドの高さを踏まえれば、その理由は誠実さというよりもスネークに対する憧れのほうが近いだろう。物語後半ではスネークに味方するシーンもあり、敵と言うよりはライバルと言うべきなのかもしれない。
『MGS3』の舞台が1964年、『MGS2』で起こったビッグ・シェル事件が2009年であることから、オセロットは45年にわたってリボルバーを使い続けたことになる。彼にとって、ネイキッド・スネークがいかに大きな存在であったのかは、想像に難くない。