■ミスをした部下への対応

 そして、上司の良し悪しは「叱り方にあらわれる」とも言われている。鬼舞辻無惨は、無限列車編で炎柱・煉獄杏寿郎を倒してきた上弦の鬼・猗窩座に対し、その場にいた鬼殺隊のメンバーのせん滅を行わず戻ったことを理由に激しく叱責する。功績を讃えず、失敗のみをネチネチ指摘したのはいただけない。

 ついでに別の場面では、特別ミスを犯したワケではない下弦の鬼たちを殺しまくって鬱憤を晴らすという信じられない場面もあった。この行為に弁解の余地はないだろう。

 それに対してフリーザがいつも部下に寛大かと言えば、全然そんなことはない。ナメック星で捜索中のドラゴンボールの情報が知りたかったフリーザが、部下のザーボンにベジータを連れてくるように命じるシーンがある。

 すぐに瀕死のベジータを発見したザーボンは、フリーザのいる宇宙船に連れ帰ったが、予想より早く回復したベジータはまんまと逃亡を図る。もともとベジータを連れ帰るよう命令を下したのはフリーザで、同じ船内に自身もいたワケだが、フリーザは自らの非はいっさい認めない。ベジータ逃亡の全責任をザーボンに押しつけ、「あなたに責任をとって死んでいただきますからね!!」と非情な宣告までしていた。

 鬼舞辻無惨は猗窩座のミスに怒りながらも命まではとらなかったが、フリーザは(言葉上とはいえ)ザーボンを殺そうとしたのだから、幹部に対する対応は一概にどちらが良いと言えない気がする。

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