■「悲しい過去持つキャラ」ランキング
同作の魅力の一つといえば、登場人物たちの多様なキャラクター性だ。鬼殺隊などの人間サイドはもちろん、敵対する鬼たちも単なる悪ではなく、それぞれ人間だった頃の背景や、鬼になった経緯などもしっかりと描写。その鬼の過去を知って感情移入した読者も少なくないはずだ。そこで「最も泣ける・悲しい過去を持つと思う人物」に関するアンケート調査を実施した。
●第3位(5.7%)「猗窩座(あかざ)」
映画『無限列車編』にも登場する上弦の参の鬼・猗窩座の人間時代の過去はコミックス18巻で明かされる。その頃、狛治(はくじ)という名前だった猗窩座は、病気の父に薬を買うために犯罪行為を繰り返す。
そのことを知った父は自殺し、狛治は自暴自棄になったが、ある道場の門下生となり、師範やその娘と出会う。病気がちな彼女と送る生活の中で狛治自身のすさんだ心も変わり始め、ようやく幸せをつかもうとしていた。しかし、そんなときに悪意ある人間の卑劣な行動によって、狛治は再びすべてを失ってしまうのだった。
●第2位(15.7%)「胡蝶しのぶ」
しのぶの過去はコミックス6巻や16、17巻で明かされる。両親を鬼に殺され、間一髪のところを岩柱・悲鳴嶼行冥に救われ、自分たちのような境遇の人間を少しでも減らしたいという理由で、姉・カナエとともに鬼殺隊に入隊したしのぶ。しかし柱にまで上りつめた最愛の姉は鬼に倒され、しのぶの目の前で亡くなってしまう。
もともとしのぶは穏やかな性格ではなく、表情も男勝りであった。しかし姉の死以降、姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やさないように、姉のように穏やかであるようにと自分の性格まで制御。しのぶは最後まで、心の底で常に鬼への激しい憎悪と復讐心を抱いていたのである。
●第1位(20%)「栗花落カナヲ」
カナヲの過去はコミックス7巻に収録された番外編で描かれている。鬼殺隊の中でも、とくに無表情なカナヲ。それは過去に親から壮絶な虐待を受け、中には死んでしまう兄弟もいた中で感情の糸が切れ、何も感じられなくなってしまったことに起因していた。
その後、親に売られて人買いに連れられていたカナヲは、縄でつながれ身なりもボロボロ。そんなときに偶然、胡蝶カナエ・しのぶ姉妹と出会ったことで、蝶屋敷でともに暮らすことになる。