■スーツアクターの動きに声優の声がピタリとハマる気持ちよさ

 そして忘れちゃいけないのが「声」です。声優さんたちが、スーツアクターさんのお芝居にピッタリな声色とお芝居を綿密に絡ませていくことで、キカイノイドになるんです。この「スーツアクター+声優」という、どちらも顔は出さない俳優が、ひとつのキャラクターを作り出す組合せが死ぬほど好きなんです僕。

 今回、ジュランの声を担当するのは浅沼晋太郎さん。実は先日、天津・向さんと浅沼晋太郎さんが行うイベント『若きベルデルの悩みライブ』にゲスト出演させていただく機会がありまして、自分が出演者ということを忘れるほど、インタビュアーのごとく質問をぶつけまくってしまいました(笑)。

 そこで聞いて驚いたのが、竹内さんと浅沼さんって最初に一度会ったきりだそうです(そのライブの時点で)。しかも竹内さんの動きに合わせてアドリブでセリフを入れるところもあるそうです。すごくないですか? 番組を見ている人には分かると思いますが、何年も一緒にやっているコンビかと思うぐらい動きと声が息ピッタリなんですよ、この2人。

 実は浅沼さんもスーツアクター経験者なのだとか。僕が勝手に思っていることなんですが、声をあてる方がスーツアクターを経験しているってデカいような気がするんですよね。たとえば料理番組を見ていて、作ったことがない料理と作ったことがある料理を見るのって違いません? 作ったことがない物は想像した味だし、その味も自分の頭の中にある引き出しから情報を取り出して形成していくと思うんです。けど作ったことがある物は味も分かるじゃないですか? あんな感じで浅沼さんって、どこか無意識で竹内さんの視線になってるところがあるんじゃないかなと思っています。

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