『機界戦隊ゼンカイジャー』はスーツアクターのすごさを目いっぱい堪能できる超快作だった!【しいはしジャスタウェイ・コラム】の画像
画像は『機界戦隊ゼンカイジャー』主題歌「全力全開!盤」

 どうも! しいはしジャスタウェイです。スーパー戦隊シリーズ45作目『機界戦隊ゼンカイジャー』に心をワシづかみされて大変です。

 それまで多くの人がイメージされてた戦隊モノって、色違いの5人のキャラがいて、敵を倒して、その敵が終盤で大きくなって、ロボに乗った5人が倒す! みたいな感じだったと思うんです。今回の『ゼンカイジャー』では、それがひとつにまとまっちゃいました(笑)。

 5人中1人が人間、4人はロボットで、そのロボットが大きくなって、大きくなった敵を倒します。4コマ漫画が急に3コマぐらいになったようでビックリしたんですが、とにかくゼンカイジャーは今までの戦隊シリーズとは一線を画す存在なんです。

 正直言うと、ゼンカイジャーが発表された当初は個人的には不満爆発でした。なぜならスーツアクターさんの体型が分からないから。ロボットの4人はこれまでのシリーズのようなタイツ姿ではなく、箱です箱。これではスーツアクターさんの太ももの太さや胸板の厚さなどが確認できない! とおじさんが怒る内容ではない理不尽すぎる理由で怒っておりました(笑)。

 しかし第1話を見てひっくり返りました。スーツアクターさんが演じるキャラクターたちが、ホントにいとおしい。新戦隊は毎年、数話見るたびにだんだんと好きになったりするんです。というのも、やはり戦隊シリーズは1年作品ですから、ゆっくりと物語やキャラを積み上げていく面白さがあり、最終回には異常なほどの愛情と寂しさに襲われ、前シリーズへの思いが強すぎるあまりに、“新戦隊をどこか素直に受け入れない病”が出てしまうんです。ただ、今回はその邪気がすぐに消し飛んでしまうほど完成度の高い第1話でした。

 危惧していたスーツアクターさんの芝居がむしろ逆で、むしろ他の戦隊よりも長く彼らの姿が見られるんですよ! ごめんなさい1人ではしゃいで。

■スーツアクターの技術にあらためて感激

 どういうことかと言いますと、今までだったら変身前は役者さん、変身後はスーツアクターさんが演じていましたが、ゼンカイジャーの5人中4人は変身前からキカイノイドという機械生命体で人間ではない姿なので、変身前も変身後もスーツアクターさんが演じるんです。

 詳しくない方からするとピンとこないかもですよね。ドラえもん、のび太、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃんの5人が変身するシーンがあったとしましょう。のび太などは人間からヒーローに変身するわけなんですけど、ドラえもんはロボからまた別の姿のロボに変身したって感じです。もっとくだくと、着ぐるみから着ぐるみになるんかい!という状態です(笑)。

 なので今回の『ゼンカイジャー』では、変身前の役者さんたちがやってきたお芝居パートも、スーツを着てマスクをかぶったスーツアクターさんが担当するんです。なにげなく見てたらあまりにもお芝居がナチュラルすぎてスーツ着てマスクかぶってることを忘れちゃうんです。逆に忘れちゃうぐらい違和感ないってすごくないですか!? 普通に考えたらまず違和感を覚えるんですよ。皆さん、よく考えてください。着ぐるみを着てお芝居ですからね? まばたきもできなければ、顔の表情も変えられないんです。なのに喜怒哀楽がちゃんと伝わって、こっちの心がぐわんぐわん揺さぶられるんです。

 けど、これってすごく怖いことでもあったと思うんですよね。だって、今までなら5人の役者さんが出てきて、その5人が様々な表情を見せて、なんやかんやあってから変身してスーツアクターさんに交代。という流れが、初めっから表情が変わらない着ぐるみが登場してお芝居するわけですよ。下手したら視聴者に全然伝わらない可能性もあったかもしれないですからね。

 けど、そんなものは余裕でぶちのめしてしまうほどの技術をスーツアクターさんたちは持っていたわけです。あー惚れるカッコイイ。

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