現在放送中の吉沢亮主演のNHK大河ドラマ『青天を衝け』。6月6日に放送された第17話「篤太夫、涙の帰京」では、1864年に京都で起きた武力衝突事件「禁門の変」が大迫力で描かれたが、そこに一瞬だけ登場したある俳優のアクションが特撮ファンの間で話題を呼んだ。
『青天を衝け』は幕末から明治にかけての物語のため、派手な合戦シーンこそ少ない大河ドラマだが、それゆえに今回のアクションが目立った。顔はハッキリ映らず、3秒あるかどうかという短いシーンだったが、門を破り突撃する兵が繰り出した右足の飛び蹴りが、構図まで完璧なライダーキックだったのだ。
右足がピンと伸び、左足も美しく曲がり、見事なフォームで相手の盾を蹴破った今回のライダーキック。この1シーンの放送後、SNSで「本当にすごい飛び蹴りだった」「主人公かな?ってくらいに格好良かった」「キレッキレのライダーキック」「めっちゃライダーキック」と話題に。それがたちまち特撮ファンの間まで広がると、この兵を演じたのが『ジャパンアクションエンタープライズ(通称JAE)』所属の俳優・富永研司ではないかという説が浮上した。
富永研司といえば2000年には平成1号ライダーである『仮面ライダークウガ』のスーツアクターを務めていた俳優。なお、現在放送中の『仮面ライダーセイバー』では、闇の剣士「仮面ライダーカリバー」のスーツアクターを務めている。
だが、実はこのシーンで飛び蹴りをしたのは、実は元JAE所属俳優の横田遼。横田遼は戦隊シリーズ、仮面ライダーシリーズでスーツアクターを務めたアクション俳優で、今回、SNSで飛び蹴りが話題になったのをうけて、自身のツイッターで、「先週放送の『青天を衝け』の禁門の変(蛤御門の変)で、盾に飛び蹴りで突っ込んでく長州兵がちょろっとトレンド入りしてたようで… お恥ずかしい笑」とコメント。当サイトがJAEとNHK広報部に問い合わせたところ、ともに「該当の飛び蹴りシーンは富永研司氏ではなく横田遼氏によるもの」と回答があった。(※6月14日追記)
JAE公式サイトの出演者情報によると『青天』には富永研司をはじめ、渡辺実、おぐらとしひろ、蜂須賀祐一といった『仮面ライダー』や『スーパー戦隊シリーズ』で常連のスーツアクターらが多く出演しているとのこと。『青天を衝け』は、今後幕府と薩長の争いが激化して、合戦シーンも増えていくことが予想される。彼ら特撮俳優の本格アクションが、同作の臨場感をさらに高めてくれそうだ。