■ミスター平成仮面ライダーがライダーキックを再現したことも
大河ドラマだけでなく、プライムタイムのドラマにスーツアクターが出演して視聴者のどぎもを抜いた例は意外と多い。たとえば、2019年に放送された深田恭子の主演ドラマ『ルパンの娘』(フジテレビ系)。
同作では主人公の恋人役として、2008年の『仮面ライダーキバ』で主人公・紅渡を演じた瀬戸康史が出演しているが、最終話10話に黒幕の護衛として登場したのが、『クウガ』と『響鬼』以外の平成ライダー18作品で主役ライダーを務めた“ミスター平成仮面ライダー”こと高岩成二。そのため、久々のライダー共演となったこのエピソードで、高岩成二が激しいアクションシーンのなか、さりげなく「ライダーキック」を忍ばせていたのである。
『キバ』の必殺技「ダークネスムーンブレイク」は、満月をバックに、砂ぼこりを巻き上げながら右脚を高く振り上げたキバがそのままの姿勢で飛びあがり、とんぼ返りで体勢を整えてから飛び蹴りを放つという、実にカッコいいライダーキック。
常人では不可能な脚の上げ方が特徴だが、『ルパンの娘』ではそれを逆手に取った演出があった。激しい肉弾戦をしていた高岩を瀬戸が羽交い締めにし、深田が素早く高岩さんの右脚を無理やり上げて股裂きするというもの。痛々しい効果音とともに高岩が悲鳴をあげる……というアクションシーンだったのだが、脚の挙げ方がモロにダークネスムーンブレイクだと話題になったのだ。
■実は狙ってのことだった
これは意図してのものだったようで、放送後に高岩成二は自身のツイッターを更新し、「久しぶりに 瀬戸の手によって キバの脚振り上げをさせられました もうちょい 行けたんですけどねw」と、瀬戸康史とのツーショットを添えて報告。
ちなみに、同作には言わずと知れたレジェンド・藤岡弘、や、1975年の『ストロンガー』や2017年放送の『ビルド』で中悪役を演じた浜田晃といった俳優も出演していたため「夢のコラボ」と話題になっていた。
『ルパンの娘』や今回の『青天』合戦シーンのように、ド迫力のアクションが見られることが増えてきた最近の日本のドラマ。主要キャストの派手な立ち回りに目が行きがちだが、富永研司や高岩成二のような名脇役が画面に華を添えている。これからドラマを見るときは、そういったアクションスターの実力にも注目して鑑賞すると、2倍楽しめるに違いない!
(※当初、ライダーキックの当人が富永氏であるという記事を配信しましたが、確認したところ横田氏であることが判明しました。謹んでお詫び申し上げます)