『熱血硬派くにおくん』(テクノスジャパン)というゲームをご存じでしょうか。同作は1986年にアーケードゲームとしてリリースされ、リーゼントに白ランという不良スタイルをバシッと決めた主人公・くにおくんが活躍するベルトスクロールのアクションゲームです。
そのシリーズ2作目『熱血高校ドッジボール部』が1987年に登場しますが、こちらはケンカではなくスポーツ……それもドッジボールでバトルするという内容。不良たちがドッジボールを行うシュールな絵面に、当時は「なんでこうなった!?」と思わずにいられませんでしたがこれがとても面白く、ゲームセンターで遊びまくった覚えがあります。
この一連の作品は「くにおくんシリーズ」として人気になり、ファミコンにも次々と登場。あいだにアクションRPGの『ダウンタウン熱血物語』をはさみ、1990年5月18日に発売されたのが『熱血高校ドッジボール部 サッカー編』でした。
■ドッジボール部なのに「サッカー編」のワケ
作品タイトルを見て、誰もが疑問に思ったのが「ドッジボール部 サッカー編」という部分でしょう。ゲームの導入ストーリーによると、くにおくんたちのいる熱血高校のサッカー部は、初の全国大会出場が決定。しかし、レギュラーのほとんどが食中毒で倒れてしまいます。
このままでは全国大会に出場できないと考えたサッカー部マネージャーのみさこが、くにおくんたちドッジボール部に助っ人を依頼。男気あふれるくにおくんは出場を検討しますが、ほかのメンバーは乗り気ではありませんでした。
そこでみさこが「優勝したら○○○○(ハートマークの伏せ字)してあげちゃう」と条件をつけると、ドッジボール部員たちは「や! やるぜっ!!!」といきなり前向きになるという展開。こうしてツッコミどころ満載のタイトルが回収されたワケですね。
ちなみにみさこが提案した4文字の伏せ字の内容については、決勝戦に勝利したあとのエンディングで明らかになります。