多種多様な“作中設定”が存在する少年漫画では、読者の疑問を解消する役割を担う“解説役”のキャラクターは必要不可欠と言えるだろう。とくにバトル系の漫画で新必殺技などが飛び出したとき、その技が「どういった内容なのか」「相手にどんな効果を与えるのか」など、さりげなく読者に向けて情報提供してくれるありがたい存在でもある。
解説役になりうるキャラクターは、それなりの実力者でないと説明に説得力が出ないし、主人公たちとの関係性が希薄でも影が薄くなりがち。しかし、絶妙な解説キャラが配置された作品の場合、バトルシーンの勢いやテンポを妨げることなく的確に説明を加え、その戦いを大いに盛り上げてくれるのも事実だ。
そこで今回は『週刊少年ジャンプ』の作品に登場した、個人的に大好きだった解説役のキャラクターについて紹介したいと思う。
■良き解説役に名言あり!
昭和時代を象徴するバトル漫画のひとつが、ゆでたまご氏の『キン肉マン』だ。『週刊少年ジャンプ』(集英社)で一世を風靡し、アニメも大人気だった。現在も新シリーズが連載中なので過去形で語るのは申し訳ないが、現在40代の私にとって少年時代を共に過ごした思い出深い作品なのでご容赦いただきたい。
そんな『キン肉マン』の解説役といえば、“アデランスの中野さん”こと中野和雄や、“ミートくん”ことアレキサンドリア・ミートを始め、さまざまなキャラクターが担ったが、忘れられない名解説キャラと言えばテリーマンだ。
テリーマンは「そういえば聞いたことがある」のセリフで切り出し、いろんな超人の技や設定を的確に解説。それがどんな突拍子もない内容だったとしても、博識のテリーマンに言われると説得力が増し、当時チビッコだった自分も純粋に「すげぇ!」と思わされる不思議な魔力があった。
ちなみに続編の『キン肉マンII世』では、テリーマンの息子であるテリー・ザ・キッドが作中の解説役を担当。そこでも「そういえばパパから聞いたことがある」と、やはりテリーマンからの受け売りであることにホッコリさせられたものだ。