■元祖ツンデレ!? ドラマもヒットしたバブル時代の名作漫画『白鳥麗子でございます!』

「おーほほほほほほ!」の高笑いがトレードマークのお嬢様といえば……白鳥麗子を思い浮かべる方が多いのではないだろうか。16.0%の支持を集めて第1位となったのは、これまで3度にわたってドラマ化もされた鈴木由美子氏の漫画『白鳥麗子でございます!』だった。

 1987年から1992年に『mimi』(講談社)で連載された同作。高飛車・見栄っ張り・世間知らずの“究極のお嬢様”白鳥麗子と真っ正直で少し鈍感な青年・秋本哲也のラブストーリーがコメディタッチで描かれた漫画で、2人を取り囲む登場人物たちとのドラマも見どころのひとつだ。

 派手な見た目や言動とは裏腹に、うぶでいちずな姿がかわいらしい白鳥麗子。気持ちと言葉がチグハグになってしまう元祖ツンデレヒロインで、アンケートでも、「お嬢様なのに彼に気に入られるように体を張ったりするところが、けなげでかわいい」(40代・女性)、「お嬢様なのに庶民の男の子を好きになって頑張るところが好きだった」(40代・女性)といった読者の声が寄せられた。

 榎本加奈子主演のテレビ朝日系ドラマ『おそるべしっっ!!!音無可憐さん』、韓国と日本で映画化された『カンナさん大成功です!』など実写化作品が多い鈴木由美子氏。

『白鳥麗子でございます!』も1989年、1993年、2016年と3度にわたりテレビドラマ化しており、なかでも松雪泰子主演、萩原聖人が哲也役を演じた1993年版のドラマは今でも人気が高い。2人のいじらしい恋物語に毎週胸キュンしていたという方も多いのではないだろうか。

『ぼくタマ』『有閑倶楽部』と同じく、こちらもOVA作品はあるがアニメシリーズは制作されていない。アンケートでは「あのままの時代設定でアニメ化したら意外と人気になるのでは」(50代・女性)、「現代にあわせず、当時のままのバブリーな雰囲気でアニメ化してほしい」(50代・女性)などの声が集まった。令和の今だからこそ、あの頃のバブル全開な世界観をアニメ化するとどうなるのか、たしかに興味深い!

 今回のアンケートでは「現実離れした」「浮世離れした」「ぶっとんだ」設定を楽しんでいた読者が多いのを感じる。平成育ちの筆者は、バブル全盛期の80年代の話を聞くたびにただただ羨ましく感じていたが、この年代にもどこか漠然とした閉塞感があったのかもしれない。まるで、その先に起こるさまざまな混沌とした出来事を予知していたかのように、パロディやオカルト、SFが流行し、現実離れしたぶっとんだ名作が数多く誕生した。その裏に「見えない何かから抜け出したい願望」を感じてしまうのは、平成育ちの思い過ごしだろうか。いつの時代も桃源郷を夢見るのは変わらないのかもしれない。

 先が見えない今だからこそ、あの頃の空気感を漂わせた華やかで壮大な物語をアニメで見てみたいところだ。

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