２０２１年もあっという間に３月。この時期は卒業や異動など別れの季節であると同時に、４月から始まる新たな生活や人との出会いに胸が高鳴る季節でもないだろうか。
この気持ちは、アニメを見る人にも共通すると思う。筆者はつい最近始まったばかりのように感じていた１月クール作品の放送があっという間に終わりを迎えつつある現状に寂しさを覚えつつも、４月から始まる新作アニメへの期待感を抑えずにはいられないでいる。
そこで今回は、２０２１年４月クールの春アニメの中でも筆者が期待を寄せている３作品を紹介したい。
■宮城県を舞台にした男子新体操アニメ
日本で独自に進化を遂げてきたスポーツ“男子新体操”を題材にしたオリジナルテレビアニメ『バクテン!!』。架空の高校“私立蒼秀館”を舞台に、主人公の双葉翔太郎ら部員たちが男子新体操に情熱を注ぐ青春スポーツ物語だ。
アクロバットでいてしなやかな技が特徴的なこの競技。チームメンバー同士が空中転回技を決めながら入り乱れる、見ていてハラハラする団体競技としての面白さも見どころだ。ただスピード感や体の柔らかさ、交差技や隊形移動など、さまざまな要素が詰まったこの競技をアニメで表現するとなると、作画が大変なことは容易に想像できる。
ところが（いちアニメファンの勝手な）そんな心配は、第４弾ＰＶで公開された演技シーンで吹き飛んだ。縦横無尽に駆けまわるカメラワークや指先までしなやかな作画が、競技の迫力と美しさを見事に表現していた。
また男子新体操にルーツを持つ林ゆうき氏が、劇伴音楽を担当する点にも注目を。競技を知り尽くした作曲家が作る男子新体操アニメのための楽曲はきっと、演技シーンをますます彩ってくれるにちがいない。
なお本作の舞台の私立蒼秀館高等学校は、宮城県にあるという設定だ。東日本大震災から１０年の節目である２０２１年に放送される本作は、アニメツーリズムを現地の活性化につなげていくフジテレビのアニメプロジェクト「ずっとおうえんプロジェクト２０１１+１０」で制作される作品の１つでもある。きっと宮城へ聖地巡礼に行きたくなるような街並みや自然が描かれるだろう。
放送は数々の名作アニメを世に放ってきたフジテレビ系列「ノイタミナ」枠にて。２０２１年４月８日の初回放送が待ち遠しい。
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