■4章ラストから5章へ向かう高揚感
そして第4章モンバーバラの姉妹・ミネアとマーニャの物語。ここは2人パーティで、途中でオーリンという戦士タイプのNPCが加入してくれますが、か弱い女性キャラ2人の旅はなかなか難しいです。だからこそこれまでの経験が重要になってきます。
回復キャラのミネアと魔法使いキャラのマーニャの2人旅だと、序盤は火力も出ないし打たれ弱いしでなかなか骨が折れます。もしもライアンの章が終わった後にミネアとマーニャの章が始まったとしたら、初心者はなかなか難しいかもしれません。
しかし、1から3章までの段階を踏んできているので、装備を整えたり、呪文を活用したり、こまめに回復したりと2人でうまく回しながら攻略していくのです。
これがRPGの醍醐味!
初めは頼りなかった2人がどんどん強くなっていき、気づいたら苦労していた周辺の敵を呪文やらなんやらでバッサバッサと倒していく様は痛快です。
そして第4章ではネタバレになってしまいますが、最後のボスは絶対倒せません。いわゆる「負けイベ」です。これはここまでの物語では見ることがないイベントで、「ここのボスが強くて倒せなかった」という記憶を胸に、第5章へ向かうのです。
つまり、世界平和を目指して旅に出る5章冒頭の第一目標として、「あいつを倒すぞ!!」という気持ちで始められるのです。ホント美しい流れですよね。まったくムダがなく、ずっとワクワクが持続する構成。素晴らしい。
そして、第5章で待ちに待った主人公の本編がスタート。これまでの仲間たちを各地でパーティに入れていき、物語を進めていきます。操作していたキャラたちが仲間になっていく展開も胸熱ですよね。
また、第5章に入る頃には、「短いRPGをいくつもクリアした後」の状態になっているので、初心者も胸を張って冒険を進めていけるようになっているというのもポイント。段階を踏むごとに上達していき、丁寧な構成とテンポのよい展開によってだんだん楽しみが増幅していく作りは本作ならではです。
いやー、ドラクエ4って素晴らしくないですか?
■最高傑作ではないかもしれないけど愛してほしい
『ドラクエ4』の魅力と美しさ、伝わったでしょうか?
魅力的なキャラクターとこの丁寧な構成を高く評価している人も多く、たしかに1番ではないけど3番目くらいに好きだ!という人も多いでしょう。話題になることは少ないですが決して人気がないわけではないという、なんとも愛おしい立ち位置にいる『ドラクエ4』。今日ぐらいは一番に注目してあげてほしいなと思います。
皆さんが思う「ドラクエの最高傑作」は何でしょうか?
僕は『ドラクエ11』です。