■『FF7R』でのエアリスは原作『FF7』と“同一人物”なのか

画面はPS版『FF7』プレイ画面より

 まず『FF7』のテーマは「星」で、本作には主人公・クラウドたちが暮らす世界の星のエネルギー源「魔晄」を使い、世界中に供給することで大企業となった「神羅カンパニー」という企業がありました。

 神羅によって魔晄エネルギーのおかげで生活が発展している街の周りは荒れ果てたスラム街となっており、星のエネルギーを使い続けることの悪影響は火を見るより明らかで、この神羅が支配する街「ミッドガル」では神羅に敵対する”テロ組織”である「アバランチ」と神羅カンパニーによる抗争が起きていました。

 クラウドは幼なじみのティファからの要望を受けアバランチに傭兵として入り、リーダーであるバレットらとともに魔晄を吸い上げる「魔晄炉」の爆破作戦を決行します。この作戦中にクラウドはミッドガルから落ちてしまい、スラム街に住むエアリスに救われます。

PS版『FF7』より、クラウドとエアリスの出会いのシーン

 そのエアリスは「古代種」の血を引く唯一の人物であり、神羅に狙われていました。古代種は「約束の地」を知る存在であるとされ、神羅のプレジデントはその約束の地こそ魔晄の豊かな土地であると信じ、エアリスを捕らえてその地に導いてもらおうとしていたのです。これがエアリスとクラウドの出会いで、もうすでに物語のカギになりそうな存在であることが分かります。また、エアリスの名前の由来は「earth(地球)」と言われており、テーマである「星」とも密接な関係もありますね。

 その後、神羅にさらわれたエアリスを救うため神羅カンパニーに乗り込むと、物語が急速に進み始めます。神羅に捕らえられたクラウドたちでしたが、セフィロスがプレジデントを〇〇したりなどいろいろあって(雑)、追手から逃げるために、クラウドはセフィロスを追うためにミッドガルを脱出するのでした。

 ここからは、クラウドの記憶をめぐる物語となっていき、古代種の生き残りであるエアリスが命懸けで星を守ろうとするシーンへとつながっていくのですが、この辺は『FF7R』でこれから語られていくであろう部分なのでこの辺の説明は割愛します。

 このミッドガル脱出まではまだプレイヤーはおろか、クラウドですらまだ“知らないこと”が多く、とにかくセフィロスの目的やクラウドがこぼした「ジェノバ」とはなんなのか、といった謎で満ちている状態でした。

 そして、『FF7R』ではここまでしか描かれていません。つまり、原作『FF7』のラストを『FF7R』のメンバーたちは知ることなどできるわけありませんよね?

 しかし、エアリスだけはどうも違うようなのです。ここから大きなネタバレを含みます。

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