■配達の中で見えてくる「大都市の中で何が起きているのか」
さて、ここからは肝心のストーリーについてお話します。もちろんネタバレには配慮しますが、本作のストーリーは道中の選択肢によって結末が分かれるマルチエンディングだということだけお教えしておきましょう。
主人公のラニアが配属された『Ｃｌｏｕｄｐｕｎｋ』という会社はどうやら怪しいものを取り扱っているようで、初配達のときにオペレーターから配達員が一晩ですぐにやめてしまうことも多いということや、そんな中でも前任者のカーマインという配達員は１０年以上働いていたことなどの話を聞きます。そしてルールとして「誤配達しないこと」「中身を聞かないこと」、この２つを守るようにと言われます。この時点でもう怪しいですよね。
ただ、ラニアはひるむ様子もないわけですが、やはり怪しい物品ですから受け取る人、アンドロイドたちもなにか影がある人物ばかりで、行く先々でトラブルに巻き込まれて配達以外のことまでさせられることもしばしば。そんなことをしているうちにニヴァリスという大都市の中で何が起きているのかということを徐々に理解していき、最終的にはプレイヤーにゆだねられる。ゲームシナリオとして構造がきれいで、本当によくできていました。
ゲームプレイと世界観への感情移入が非常にマッチしていて、ＳＦ映画好き、考察好きにはたまらない作品になっているかなと思います。どこか現実離れしているようで、最終的には自分たちの未来がもしかしたら……なんてことを思わせてくれるような緊迫感と驚きを味わえますよ。
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