©TNSK・講談社/春来亭活動写真部
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『good!アフタヌーン』(講談社)にてTNSKが2019年より連載中の大正落語ファンタジー『うちの師匠はしっぽがない』がアニメ化され、2022年9月30日より放送中だ。

主人公は「いつか人間を化かしてみたい!」と夢見る豆狸の女の子・まめだ(CV.M・A・O)。しかし大正の大坂は、昔ながらの狸の術が通じる街ではなくなっていた。落ち込むまめだが目にしたのは、人気落語家・大黒亭文狐(CV.山村響)が芸で人々を化かす姿。彼女に憧れたまめだは押しかけ弟子になり、落語家への道を歩んでいく。

そんな無鉄砲だがまっすぐな主人公・まめだを演じるのが、多くの人気作で活躍しているM・A・O。彼女に本作の魅力やまめだ役を演じるときのこだわりについて、語ってもらった。(前後編)

 

※ ※ ※

 

丁寧に描かれた人間ドラマ、妥協せずに作られた落語シーン

M・A・O
M・A・O

――先週放送された第4話で、まめだは新米落語家・しららと友達になり、大坂弁のリズムを学んだりと、一歩ずつ成長していますね。もうアフレコは最終回まで終えられているそうですが、M・A・Oさんは本作のどんなところに魅力を感じていらっしゃいますか。

 

原作から落語の魅力と師弟関係を中心とした人間ドラマが描かれていて、そのバランスが素敵だと感じました。涙腺がゆるむ温かいお話もあれば、胸が熱くなるようなお話もあって。アニメでもそういう人間ドラマを丁寧に描いていますし、何と言っても落語に妥協せず、師匠がたにもしっかり監修していただいているので、そういったところが魅力かなと思います。

 

――M・A・Oさんはご自身が演じられたまめだのことを、どんな風に捉えていらっしゃいますか。

 

まめだちゃんは都会に憧れていて、大人の狸たちとの約束をしれっと破ったりする、やんちゃな部分もある女の子。まっすぐで明るくてがむしゃらな一面もありつつ、ちょっとひねくれたところもあるのが、彼女の魅力的なところだと思います。

 

――そもそもこの物語は、彼女が「用が済んだらすぐに帰って来い」という大人たちの言いつけを破って、大坂で人間を化かそうとするところから始まりますものね(笑)。

 

「やっとあのくそ田舎から抜け出せた!」などと言ったりして、ちょっとお口も悪いですし(笑)。まめだちゃんは、そういうやんちゃ娘なところがありますね。

それから、狸だからというのもあってか、まめだちゃんには純粋な一面がありますよね。しららちゃんとの会話の中で、人間だとちょっと照れて言えないようなことも、ストレートに言えてしまったり。そういう純粋さが、しららちゃんのツンデレを引き出したりしているなと、アフレコをしながら感じました。

 

――しららの落語を「かっこいい」と、面と向かって素直に褒めるシーンですとか。

 

思ったことをストレートに伝えますよね。その不意打ちにしららちゃんがオタオタする様子がかわいかったです。

 

©TNSK・講談社/春来亭活動写真部
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