「デビュー10周年で気づいた、『引き算』の芝居の大切さ」大西沙織インタビュー[後編]/アニメ『ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生』の画像
©俺クンの人生製作委員会

『可愛いだけじゃない式守さん』(式守さん)、『ウマ娘 プリティーダービー』(メジロマックイーン)など、変幻自在の芝居力で視聴者を魅了する大西沙織。彼女が現在放送中の5分アニメ『ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生』でASMR甲子園を目指す高校生の浅草ゆり役を演じている。
インタビュー後編では、デビュー10周年を迎えて、以前とは変わりつつあるという声優業へのアプローチや、自らの青春時代のことも教えてくれた。

 

前編はこちら。

 

鐘ヶ淵つるぎ(CV:Lynn)

 

キャラクター全員が気になりすぎる

 

ーーここまでアフレコを収録されてきて、お気に入りのエピソードはありますか。

 

鐘ヶ淵委員長(CV.Lynn)と絡むお話ですね。委員長役のLynnさんの声は入っていたので、それに応えていく形だったんです。そもそも、親友の蔵前ぱんだちゃん(CV.鬼頭明里)などからは、基本的にゆりは野放しにされているんですが(笑)、その中で、唯一委員長だけはちゃんと彼女を「ダメですよ」と制して、厳しい対応をしてくれる。委員長はゆりの破天荒ぶりを叱る役割で、その関係性がすごく好きです。

 

ーーご自身が演じる浅草ゆり以外に、気になってるキャラクターはいますか。

 

全員気になり過ぎてます(笑)。特に私は、ぱんだちゃんがどういうキャラなのか、いまいちよくわかってないんです(笑)。クールで大人しいキャラなのかなと思ったら、意外とキツいことを言ったり。彼女のキャラクターはいまだに未知ですし、深い魅力があると思います。

 

ーー劇中では、ゆりとぱんだが一緒にいると、狂気が加速する感じがしますね!

 

そうなんですよ。だから、妹の浅草とと(CV.久保田未夢)がまともに見えるくらいですよね(笑)。ただ実を言うと、ぱんだちゃんとの掛け合いも一人で収録したので、大変でした。
でも不幸中の幸いは、ゆりが“私はこういうことがやりたいんです!”と自分から仕掛けるキャラクターなこと。なので、一人で収録していても、“みんな、これを受け取って”という気持ちでした。これが、例えば誰かの影響を受けて変化していくようなキャラクターだったら、一人での収録だと難しいところもあったかもしれません。

 

  1. 1
  2. 2
  3. 3