「日々の癒やしを求めて聞いているASMRは…」大西沙織インタビュー[前編]/アニメ『ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生』の画像
©俺クンの人生製作委員会

近年、急速な盛り上がりを見せているASMR(聴覚への刺激によって感じる心地良い、脳がゾワゾワするといった反応、感覚のこと。またそういった感覚を引き起こす音声・動画ジャンル)を題材に描くオリジナルアニメーション『ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生』が放送中。
主人公の俺クンは、とある高校のASMR部のダミーヘッドマイク(人間の頭の形をした録音機。通称・ダミヘ)に転生してしまう。そこで出会ったのは、ASMR甲子園出場を目指す、浅草ゆりたち女子高生で…。
今回は本作でゆり役を担う大西沙織にインタビュー。役や作品愛はもちろん、実際にASMRを愛好する彼女のプロフェッショナルな仕事への向き合い方を探る。

 

「口紅を板で潰す音にハマりました」

ーーASMR甲子園を目指す高校生たちが主人公のアニメ『ある朝ダミーヘッドマイクになっていた俺クンの人生』が現在放送中です。本作の企画を聞かれた際の第一印象からお聞かせください。

 

実は私自身ASMRがすごく好きで、もともとよく聞いていたんです。企画のお話を聞いた際は、それがアニメーションとコラボしたときに、どういった感じになるのだろうとドキドキとワクワクでいっぱいでした。
ASMRをアニメーションに落とし込むだけでなく、ダミーヘッドマイクに人間の魂が宿るというストーリーも斬新だなと思いました。

 

ーー確かにそうですね(笑)。普段は、どんなASMRをお聞きになっているのですか。

 

ありとあらゆるものをだいぶ聞き漁っていると思います(笑)。最初はスライムから始まって、咀嚼音や、木と木を擦り合わせて音を出すASMR、メイクアップをするASMRなど、本当に色々あるんです。

 

ーーそれはプライベートの趣味としてでしょうか。

 

日々の疲れを忘れられるという感じです。その中でも、ハマったのは、口紅を板で潰すASMRです。固形のスティックを、木材の上で潰して、こねていく音がすごくツボでした。

 

ーーなぜそんなことをやろうと思ったのか…(笑)。

 

わからないですよね(笑)。でも、みなさん工夫して多種多様な動画を上げていらっしゃいます。私は猫が好きなので、猫の喉のゴロゴロ音を、良いマイクで集音してあるASMRも好きなんです。

 

ーーそのASMRの魅力の本質は、どんなところにあると思いますか。

 

普段少し不快を感じるような音でも、マイクを通して耳に入ってくるASMR作品になると、意外と嫌じゃない…むしろ好きになってしまうところの面白さですね。例えば、咀嚼音は日常で聞くと苦手だなと思うことがあるのですが、ASMRだと、それが逆にヒーリングになったりする。日常に転がっている音を追求して集音すると、こんなにも面白い作品になるんだなと思いました。

 

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