高橋李依インタビュー(2)劇場版「からかい上手の高木さん」/「ここはきっと梶さんが引っ張ってくれるという予感があった」の画像
劇場版「からかい上手の高木さん」場面写真(西片と高木さん)

2018年にTVアニメ化され、熱いファンに支えられて第2期(2019年)、第3期(2022年)と続いてきた『からかい上手の高木さん』がいよいよ映画化! 原作はシリーズ累計1,100万部を突破している、山本崇一朗の同名人気コミックだ。中学1年生から「からかい勝負」を続けてきた西片と高木さんも、いよいよ3年生。第2回となる今回のインタビューでは、「こども同士の無邪気さ」と「男女間の恋心」が混じり合うローティーンならではの関係性を共に作り上げた、西片役・梶裕貴の印象などを教えてもらった。(全3回)

 

※ ※ ※

 

『高木さん』は自主リテイクも受け入れてくれる現場

高橋李依

――劇場版の脚本を読まれたときの感想を教えてください。

 

今まで『高木さん』で、これだけ長い尺をオリジナルストーリーで演じ続ける機会はなかったので、まず自分の職務へのプレッシャーが大きかったです。この作品は元々、感情のちょっとした機微を丁寧に描いてきた30分アニメですから、その数本分にもなるボリュームを「私は本当にこれを演じきれるのだろうか?」という気持ちはありました。

 

――ストーリー面では、「中学最後の夏」という特別感や切なさがある作品になりそうですね。

 

中学3年生の夏という言葉にポジティブな印象を抱く方もいれば、「ちょっと寂しいな」と感じる方もいると思うんですね。大人へ変わる前の不安や、ちょっとした心境の変化。そういったいろいろな気持ちがこの映画の中には丁寧に入っています。高木さんと西片だけじゃなく、他のメンバーたちもそういった感情を織りなしているので、1本の映画として、みんなの気持ちが入っている群像劇になっていると思います。

 

――西片役の梶裕貴さんとは、もう阿吽の呼吸でいらっしゃるかと思いますが、改めて梶さんとのアフレコの印象を伺えますか。

 

『高木さん』の現場は、自主リテイクをかなり受け入れてくださる現場なんですよ。梶さんやスタッフさんが、キャストからも言いやすい空気を作ってくださったお陰で、私も安心して自主リテイクさせてもらえています。

 

――自主リテイクということは、スタッフ側からOKは出ているけど、キャストから「もう一度やらせてほしい」と。

 

はい。収録の進行を止めてしまう作業でもあるので、もちろん現場によっては難しい場合もあるんですが、『高木さん』は「なにか思いついたならどうぞ」という現場なのでありがたいです。本番をやってみて新しいものを思いついたら、また挑戦させてもらえる。そういった現場作りをできたのは、相手が梶さんだったからだと本当に思います。

 

――「より良いものを」という気持ちに溢れた現場だったんですね。梶さんのお芝居で、自分が考えていた気持ち以上のものが引き出されたことはありましたか。

 

直近だと第3期の最終話ですね。西片が走って追い掛けてきてくれて……というシーンは、台本チェックの時点で「ここは現場任せにしよう」と決めていました。もう長年やってきた感覚もあって、「ここはきっと梶さんが引っ張ってくれる」という予感があったので、そこまで自分ひとりで考え込まずに持って行ったんです。そういうシーンはやっぱり、梶さんの演じる西片から出てくる言葉を聞いて、それをしっかり受けて返すことに尽きるというか、相手の言葉を感じ取ることに徹するというか。「じゃあここでは、こんな声色を出そう!」みたいなことは考えず、相手の芝居を受けて芝居をするだけという姿勢でいます。

 

――第3期まで重ねてきた信頼関係あっての演じ方ですね。

 

そうですね! 台本チェックのやり方も、クールごとにどんどん変化していった気がします。

 

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