『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』や『ぼくたちのリメイク』などの代表作を持つ古賀葵さん。彼女が主人公の古見硝子役を務める『古見さんは、コミュ症です。』が現在放送中。コミュニケーションが苦手な古見さんを、どう体現しているのでしょう。その裏側をインタビューで語ってくださいました(全3回)。
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「息遣いや言葉にならない声から彼女の想いを表現したいと思っています」
――本作の2期の制作が決まった際、どのようなことを思われましたか。
「まず、純粋にまた古見さんを演じられることが、嬉しかったです。前の放送が終わってからも私の中に古見さんがずっといましたから」
――あらためて、古見さんというキャラクターの印象についてお聞かせください。
「皆が憧れるクールな美人ですが、内面は可愛らしさと純粋さのある普通の女の子だと思っています。天然なところもありますが、中身と見た目のギャップみたいなものに彼女自身も辛い思いをしてきたこともあると思うし、彼女の一生懸命に人と繋がりたいという想いは演じていても、背中を押されるような強さがありますよね。普段は遠慮がちに見えますが、自分の意思や芯がはっきりあるし、積極的に物事を考える彼女の姿勢はすごいなと思います」
――実際、キャラクターを演じるうえで、どのような準備をされていますか。
「1期の頃からですが、原作の古見さんの表情を常に参考にしています。最初はほとんどセリフのないキャラクターですから、彼女の声をどう表現しようかと悩んでいたんです。でも、彼女が常に誰かと会話するときのリアクションを考えたり、相手のことを想像する中で、それが言葉として紡げないだけで、すごくたくさんの想いを抱えているんだということが、原作やアフレコの回数を重ねてわかっていったところがあります。アフレコの現場では、台本はもちろん、常に原作を持っていって、休憩中でも、彼女の表情を確かめながら演じていますね」
――おっしゃったように、なかなか喋らない古見さんですが、それゆえの難しさも?
「確かにありますが、それと同時に息遣いや言葉にならない声から彼女の想いを表現したいと、1期の頃から思っていました。たとえば、同じ3点リーダのあるようなセリフでも、シチュエーションがそれぞれ違うので、音のニュアンスを変えてみたりしています」