梶原岳人・独占インタビュー(3)『古見さんは、コミュ症です。』/一歩踏み出してコミュニケーションをとることで、変わった自分の画像
梶原岳人・独占インタビュー(3)『古見さんは、コミュ症です。』/一歩踏み出してコミュニケーションをとることで、変わった自分の画像

昨年放送されて、人気を博したアニメ『古見さんは、コミュ症です。』の新シリーズが、4月より放送中! 本作で只野仁人という、一見名前どおりの普通の高校生を演じるのが梶原岳人さん。コメディでありながら、爽やかな青春ストーリーとしても多くの視聴者を魅了する本作で、梶原さんが胸のうちを語ってくれました。

 

※ ※ ※

 

「片居くんの見た目と内面のギャップの苦悩に共感します」

 

――いま、只野くんを演じるうえで大切にしていることを教えてください。


「役者が演じるうえで、自分のパーソナルなものが出てしまうのはいいことなのかというのが悩みどころではあるのですが、僕自身も彼のように優しくなりたいなと思うんです。人の気持ちのわかる彼だからこそ、やっぱり自分も少しでもそういうところを持っていたいし、自分が人に対してどうやって向き合ってきたのかを、良いところもそうでないところもこの役を経て、以前より考えることが増えました」

 

――まさに只野くんがご自身の中で息づいている感覚なんですね。


「そうかもしれません。自分への内面に問いかける機会をこの作品でもらっていますし、只野くんみたいに人に対してちゃんと声をかけられるような、行動できる人間になりたいと思うんです」

 

――一方で、只野くん以外に共感するキャラクターはいますか。


「片居誠くんですね。不良みたいな見た目だけど、根暗というギャップのあるキャラクターなんです。僕もそういうところに苦しんできた実感があります。僕もよく見られ方として、おとなしそうとか、あまり前に出るタイプじゃないと思われることが多いのですが、自分の中ではそういう人間ではないと思っています(笑)。むしろ、楽しい雰囲気も大好きだし、お笑いや熱狂的な音楽のライブなども好きですから。常に自分のことを知ってもらいたいという思いは、多くの人がそうなんじゃないかなと思うし、片居くんもそう思ってるのかなと、ちょっと共感しました」

 

「予想しなかったものが生まれ、それを認めてもらえる瞬間がやりがいです」

 

――いま、お仕事でやりがいを感じる瞬間はどんなときですか。


「あれこれ考えた理屈でない感情が、アフレコでスッと出てきたときはなんとも言えない気持ちよさがあります。いま役を生きているなという実感もありますね。それはお芝居だけでしか得られない感覚ですし、自分でも予想しなかったものが生まれるのは、おもしろいですよね。そして、それがいいものとして認めてもらえたときは、やっぱり楽しいと思える瞬間です」

 

――梶原さんにとっては、アフレコもセッションやライブ的なものなんですね。


「やっぱり音楽のライブなども技術以上に、気持ちによって、何かを伝えたりというものが大きいと思うんです。考えるより、心を外に出していくというか。そういう意味で、お芝居でもライブ感は大事にしたいし、音楽活動に通じる部分だと思います」

 

――また、本作ではコミュニケーションの大切さもテーマの一つかと思います。梶原さんはそうしたことをどんなときに感じられますか。


「最近よく感じています。そろそろ僕も、新人かといえばそうでもないキャリアになってきて。新人の頃は現場で、先輩やスタッフさんに話しかけていいのかな、なんて考えていたんです。いまは、いろんな現場に出させていただくようになって、何気ない天気の話や作品の話など、小さな言葉から会話が広がっていくこともあります。そういうコミュニケーションがあると、お芝居もやりやすくなるし、空気が柔らかくなるんです。最近は本当にそれが大事だなと思うし、キャストの方々と喋るだけで気持ちが楽になったり、皆さんと一緒に作品を作っている実感が強くなっていく感じがあります。
 いままではびくびくしていましたが、ここから一歩踏み出して、ちょっとでも現場のためにいい空気が作れたらいいですよね。そこは最近になってあらためて感じるし、昔の自分にはできなかったことです」

 

――その現場の熱量や温度は、この作品にもきっと反映されていますよね。


「どんな形でもご覧いただく方に伝わったら嬉しいですね。やっぱりキャストの方、スタッフの方とコミュニケーションをとってマイクの前の立つ感覚は、そうしなかったときとは全然別物です。いま、それを実践し続けて感じるのは、自分の身体も心もリラックスできますし、より柔軟になれるので、この作品にもそういう現場の空気が、しっかり写っているんじゃないかなと思うんです」

 

『古見さんはコミュ症です。』特集はこちら!

 

PROFILE
かじわら がくと
11月28日生まれ、大阪府出身。2017年に声優デビュー。近年はアーティストとしても活躍。『ブラッククローバー』アスタ役で初主演を射止め、以降さまざまな作品で活躍。近年の出演作に『炎炎ノ消防隊』(森羅日下部)、『シャドウバース』(竜ヶ崎ヒイロ)、『SDガンダムワールド ヒーローズ』(劉備ユニコーンガンダム)など。写真集「梶原岳人ー1st PHOTO BOOKー『ガク』」が発売中。

 

《INFORMATION》


『古見さんは、コミュ症です。』
毎週水曜日、絶賛放送中
24:00~テレビ東京
24:30~BSテレ東
25:35~テレビ大阪
26:05~テレビ愛知
※放送時間は予定です。都合により変更になる場合があります。
Netflixにて、独占配信中

公式サイト
https://komisan-official.com
公式Twitter
@comisanvote

《STAFF》
総監督:渡辺 歩
監督:川越一生
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン:中嶋敦子

《CAST》
古見硝子:古賀 葵
只野仁人:梶原岳人
長名なじみ:村川梨衣
山井 恋:日高里菜
中々思春:大久保瑠美
上理卑美子:藤井ゆきよ
矢田野まける:前島亜美
地洗井茂夫:赤羽根健治
井中のこ子:潘めぐみ
尾根峰ねね:青木瑠璃子
尾鶏かえで:森山由梨佳
園田大勢:佐藤悠雅
忍野裳乃:小野賢章
鬼ヶ島朱子:ブリドカットセーラ恵美
古見秀子:井上喜久子
古見将賀:星野充昭
古見笑介:榎木淳弥
只野 瞳:内田真礼
片居 誠:神尾晋一郎
佐々木あやみ:髙橋ミナミ
加藤三九二:内村史子
成瀬詩守斗:三浦勝之
米谷忠釈:鵜澤正太郎
ナレーション:日髙のり子


アニメーション制作:オー・エル・エム
制作:小学館集英社プロダクション
©オダトモヒト・小学館/私立伊旦高校

STORY
人付き合いを苦手とする症状「コミュ症」。またはその症状を持つ人を指す。極度のコミュ症である高校生・古見さんが出会ったのは、“普通すぎる”クラスメイトの只野くん。 人前で、すぐに緊張してしまう古見さんの夢は、「友達を100人作る」こと。古見さんの「1人目の友達」になった只野くんは、残り99人の友達づくりを手伝うことに。個性派揃いの高校で、古見さんの夢は叶うのか…。