子どもたちの自由な発想で生まれる忍法が楽しみ
――これまでの映画で特に思い入れのある作品というと?
『ヘンダーランドの大冒険』(96年)がすごく好きなんです。娘が小さい頃に配信で観て、めっちゃくちゃ笑いました! 「スゲーナスゴイデス」という呪文が出てくるんですが、それがすごいツボで(笑)。
――そういう耳に残るセリフって、家庭内でしばらくブームになりませんか?
なります! だから『ヘンダーランド』を観た後はしばらく、何でもかんでも「スゲーナスゴイデス」と言ってました(笑)。『新婚旅行ハリケーン ~失われたひろし~』(19年)を観た後は、ひも状の物を見ると息子がすぐ「ヘビ!」ってマネしてましたし、すぐ映画に影響されてブームになりますね。
――今回の作品なら、どんな言葉が子どもたちの間でブームになりそうでしょう。
やっぱり「忍法、〇〇の術!」ですよね。しんちゃんの「忍法、分シリの術!」もいいけど、子どもたちなら自分なりの忍法を編み出してくれるんじゃないでしょうか。
――「うちの子がこんな忍法を開発しましたよ」なんて声が届いたら、嬉しいですね。
きっとものすごく自由な発想で、「それ!?」っていう忍術がいっぱい生まれると思います(笑)。独自の忍法で戦ったりして、たくさん想像を膨らませて楽しんでほしいですね。
――では最後に、見どころをお願いします。
今回、30年目にして、しんのすけの出生の秘密が描かれます。家族でご覧になる方は、もしかしたらお子さんが生まれたときを思い出したりして、ご自分に重なるところもあるかもしれません。先程(インタビュー第2回)お話しした幼い頃のシーンでは、とーちゃんとかーちゃんが「しんのすけ」と名前を何度も呼ぶんですが、「子どもにとって名前って、そういうものなのか」という重みを、きっと感じていただけると思います。
――あのシーンは、台本を読んでいてもグッと来るものがありました。大人にとって5年はあっという間ですが、子どもにとっての5年はこんなにも大きいのかと。
子どもの5年って、その5年が抜けてしまったら人生がほとんどなくなってしまうくらい大きいですよね。そこが揺らいでしまうところから、今回のお話は始まるんですが、最後のクライマックスがすごく腑に落ちたんです。「さすが、監督!」と思えるクライマックスになっているので、ぜひ観ていただきたいです。それに「これはきっとこういうことを表してるのだろう」「こういうことを風刺しているのかな?」と、考察のしがいのある作品でもあると思います。映像の端々に、監督の意図が散りばめられているので、まず1回目は頭を空っぽにしてアクション映画として楽しんでいただいて、2回目3回目はじっくりと考察しながらご覧いただけたら嬉しいですね。
※ ※ ※
WEB声優MEN『クレヨンしんちゃん』特集
花江夏樹さん、ハライチ(岩井勇気&澤部佑)さんインタビューはコチラ
小林由美子 こばやし ゆみこ
6月18日生まれ、千葉県出身。98年より声優活動を開始。『デュエル・マスターズ』(切札ジョー役)、『PEACE MAKER 鐵』(市村鉄之助役)、『焼きたて!!ジャぱん』(東和馬役)などの人気キャラクターを演じる。18年より、『クレヨンしんちゃん』の野原しんのすけ役(2代目)に起用される。
INFORMATION
■タイトル:映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝
■原作:臼井儀人(らくだ社)/「月刊まんがタウン」(双葉社)連載中/テレビ朝日系列で放送中
■監督:橋本昌和
■脚本:うえのきみこ、橋本昌和
■製作:シンエイ動画・テレビ朝日・ADKエモーションズ・双葉社
■声の出演:小林由美子、ならはしみき、森川智之、こおろぎさとみ ほか
■ゲスト声優:川栄李奈、ハライチ
■主題歌:緑黄色社会「陽はまた昇るから」
■公開日:4月22日(金)
■コピーライト:©臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2022
公式サイト:https://www.shinchan-movie.com/
ある日、屁祖隠(へそがくれ)ちよめという女が、野原家を訪ねてきた。ちよめは、自分がしんのすけの本当の母親だと告白する。その夜、突然忍者が野原家に忍び入り、寝ているしんのすけを連れ去ってしまう。しんのすけが連れて行かれたのは、忍者だけが暮らす忍びの里だった……。その里には「地球のへそ」があり、屁祖隠家が「もののけの術」でエネルギーが漏れ出ないようにへその栓を代々守ってきたという。もしも栓が抜けたら、エネルギーが漏れ出し、地球は枯れ、自転が止まり、世界の明日は失われてしまう……。屁祖隠の名を継ぐ「屁祖隠しんのすけ」は、果たして地球の未来を守れるのかーー!?