4月22日(金)公開まであと1日!
しんちゃん映画30作品目『映画クレヨンしんちゃん もののけニンジャ珍風伝』の大特集。本作は、「地球のへそ」の栓を守る屁祖隠(へそがくれ)家と野原一家の意外な関わりから物語が始まる。タイトルの通り、忍者アクション大作! 前回の花江夏樹さんインタビューに続き、野原しんのすけ役の小林由美子さんに独占インタビュー。全3回に渡りお届けする第2回目は、小林さんの役作りについてお聞きしました。
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ひまわりに伝授してもらった赤ちゃんの声
――本作のストーリーは「しんのすけは野原家の子ではないかも」という疑惑から始まります。本当の母だと名乗る屁祖隠ちよめ(CV.川栄李奈)が野原家を訪れ、「病院で取り違えられた」と説明するわけですが、かなりショッキングな話ですよね。
私だったら相当動揺して取り乱してしまうと思いますが、動揺しながらもドーンと構えているので、とーちゃん(CV.森川智之)、かーちゃん(CV.ならはしみき)はさすがだなと。しんのすけにとっては、本当のとーちゃんかーちゃんじゃないかもしれないことは、相当ショックだったと思うんです。5歳ならある程度理解できるので、信じてはいてもやっぱり「えっ」と思ったんじゃないかなと。
――子どもって大人が思っている以上に、案外理解しているし、色々考えたりしているものですよね。
本当に、たかが5歳、されど5歳で。うちの息子が今年5歳になるのですが、大人の言動もよく見ているし、私がちょっとイライラしていると、それを感じ取って近くに来なかったりしますし(笑)。割と周りをよく見ていて、子どもながらに空気を読んだりもできる年頃ですよね。だから「とーちゃんかーちゃんが、本当の親じゃないかもしれない」というのは、もしかしたら親以上に敏感に感じ取っているのかなと。とはいえ、しんのすけですから、持ち前のお気楽さで乗り越えてはいくんですが。
――ちよめと忍者の里にやってきたしんのすけが家族を想うシーンなど、本作ではしんのすけの繊細な心情も描かれます。
映画ではいつも、親と離れ離れになって冒険に行ったりしていますが、しんのすけ的には「必ずとーちゃんかーちゃんのところに戻れる」という信頼があったと思うんです。だから、離れて寂しいという気持ちはあっても、常に家族が隣にいるような気持ちで冒険に行けていましたが、今回は「とーちゃんとかーちゃんが本当の親じゃないかも」という、いつもとは違う不安を抱えている。寂しさというより恐怖のような気持ちで、いつもなら見せないような表情が出ていたので、そこは意識しながら演じていきました。
――今回のアフレコで特にご苦労された部分はありますか?
一番苦労したのは赤ちゃんの頃のシーンです。しんのすけが赤ちゃんだった頃の泣き声や、しゃべり始めた2歳頃の声というのが、とっても難しくて。初代しんのすけ役の矢島晶子さんが演じられた赤ちゃん時代の声もあるんですが、赤ちゃんの声なのに、ちゃんとしんのすけの声なんですよね。特に2歳頃のしゃべり始めた頃の声が一番難しかったので、そこはひま(ひまわり/CV.こおろぎさとみ)に伝授してもらいました。ひまにセリフを読んでもらって、それをしんのすけの声でやる、みたいな。
――その伝授していただいたコツというのは?
こおろぎさんは赤ちゃんの声帯をお持ちなので(笑)、コツと言っても感覚的なものになってしまうんですが、言い方のニュアンスや語尾の感じなどを教えてもらいました。そのシーンの収録は一番緊張しましたね。