改めて実感したクラシックバレエのすごさ

モーションキャプチャー撮影の様子

――本作ではどのような流れで「振付」が作られていったのでしょうか? また本作は舞台シーン以外にも、レッスンや日常生活の中でも踊りが登場しますが、それらのシーンにも関わられたのでしょうか。

 

まずは事前のミーティングで、どのシーンをやるのか、そしてそれはどんなシーンなのか、気をつける点は何かなど、細かく打ち合わせをします。そのミーティングで決まった点を踏まえてダンサーに振付していき、モーションキャプチャーでダンサーの動きを撮りながら、できたシーンを境監督にチェックしてもらって、一つずつシーンを創り上げていきました。舞台上のみならず、キャラクターが踊っている瞬間はほぼ全て実際の動きから撮っています。そこは徹底していてすごいなと思いました。

 

――制作過程の中で面白さを感じたところはどこでしたか?

 

モーションキャプチャーでの撮影は最初から最後まで全部面白かったのですが、個人的には、クラシックバレエ、そして人体のすごさを改めて実感する機会になりました。

 

――人体のすごさ……と言いますと?

 

モーションキャプチャーを通してモニターに映されるのは、センサーのついた特殊なスーツを着たダンサーの関節部分を点で抽出してそれを線で繋げた、いわゆる“棒人間”です。目の前の肉眼で見ているダンサーがジャンプしたときには、空間が広がっていく様な、実際の手脚よりも更に長くなっていくようなしなやかさが感じられるのですが、“棒人間”的な視点で見ると、それが感じられなくなってしまうのです。

もっと高く飛んでいるはずなのに、エネルギッシュなはずなのに、それが損なわれてしまうということは、いかにバレエダンサーが肉体を酷使してそれを作り上げ、そう見えるように工夫しているのかということです。今回の撮影では、それを再認識しました。もちろん、それをMAPPA様の素晴らしい作画技術で再現してくださっているので、ご心配なく。

 

――とても楽しみです! 振付を作り上げていく中で大切にされた点、こだわった点もぜひ教えてください。

 

ジョージさんの原作は、いまお話したような部分、空間がスパークするような感覚を大切に描かれているので、極力原作に忠実に振り付けるようにこだわりました。原作ファンの方ががっかりせず、むしろ更にテンションが上がるようなものを目指しました。

 

――境監督とはどのようなお話をされたのでしょうか。

 

踊りはそのときの精神状態にかなり影響されるものでもあります。なので境監督からは、アニメ制作側からの視点で、潤平がここはどんな心情でいるか、どのように周りと関わっていき、どういう方向に向かっていきたいかなど、キャラクターの心と身体に齟齬が生じないように逐一お話ししていただきました。

 

第2回は明日公開予定。お楽しみに!

 

アニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』特集はこちら

 

【PROFILE】
宝満直也 ほうまん・なおや
ダンサー、振付師。2008年新国立劇場バレエ研修所に入所し研鑽を積んだのち、2010年新国立劇場バレエ団に入団。古典作品のレパートリーに出演しながら、コンテンポラリー作品では、ソリストとして抜擢されデュオやソロなどの重要なパートを踊る。新国立劇場の振付家育成公演では多数振付を発表。
その後NBAバレエ団に移籍し、2017年「海賊」「白鳥の湖」の振付を担当。2020年には大和シティー・バレエにて「美女と野獣(全幕)」を世界初演し、好評を得る。その他にも新国立劇場バレエ研修所、朗読劇に振り付けるなど活動は多岐にわたる。
Instagramアカウント @homan_babacchi

 

作品情報
TVアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』
毎週(金)25時25分~放送中

【あらすじ】
中学2年生の村尾潤平は、幼い頃にバレエに魅了されるも父の死をきっかけにその道を諦め、「男らしく」あろうとジークンドーに通っていた。

ある日、クラスメイトの五代都にバレエへの興味を見抜かれ、一緒にやろうと誘われる。都の母親が開くバレエスタジオに出入りするようになった潤平は、かつての情熱を再燃させ、バレエを習うことになるのだが――。

潤平の前に現れたのは、バレエの英才教育を受けた孤高の天才・森 流鶯。

潤平は圧倒的な実力差に打ちのめされるが、その熱量はますます高まるばかり。流鶯もまた知らず知らずのうちに潤平に触発されていく。そして、2人の前にさらなる高みを目指す者たちが現れ――。

華麗なダンスの裏で、もがき続ける少年少女たち。
青春の衝動が、今、ぶつかり合う。

 

【CAST】
村尾潤平:山下大輝
森 流鶯:内山昂輝
五代 都:本渡 楓

【STAFF】
原作: ジョージ朝倉「ダンス・ダンス・ダンスール」
(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載中)
監督: 境 宗久 
シリーズ構成: 成田良美
キャラクターデザイン:長谷川ひとみ
総作画監督:長谷川ひとみ 小美野雅彦 黒岩裕美
副監督: 清水久敏
バレエ演出:大谷 肇
バレエ作画監督:桑原 剛 小笠原篤
美術監督: 藤野真里
撮影監督: 八木まどか
CGディレクター: 鷲田知子
色彩設計: 田辺香奈
編集: 長坂智樹
音響制作: dugout
音楽: 未知瑠
振付:宝満直也
バレエ監修:阿部さや子
制作: MAPPA

OPテーマ YUKI「鳴り響く限り」
EDテーマ ヒトリエ「風、花」

 

【放送情報】
MBS/TBS系 全国28局ネット「スーパーアニメイズム」枠 他にて
毎週(金)25時25分~放送中
※放送日時は変更になる可能性があります
BS朝日 4月10日(日)23時~放送開始予定

AT-X 4月13日(水)より
毎週(水)22:30~
リピート放送:毎週(金)10:30/(火)16:30

【配信情報】
ディズニープラス「スター」にて4月より国内独占配信

 

【第2弾PV】https://youtu.be/LTjq-Xq3VIQ

 

【公式サイト】danseur-anime.com
【公式Twitter】@danseur_anime

 

©ジョージ朝倉・小学館/ダンス・ダンス・ダンスール製作委員会

 

 

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