現在「WEB声優MEN」では、放送中のアニメ『ダンス・ダンス・ダンスール』を大特集。これまで主人公・潤平役の山下大輝、ライバル・流鶯役の内山昂輝から話を聞いてきたが、バレエを本格的に描く本作ならではのスタッフにもインタビューを敢行! 登場してくれたのは、プロのバレエダンサーで振付家としても活躍している宝満直也だ。インタビュー第1回では、本作の「振付」を担当した彼に、バレエダンサーが感じた原作の魅力や本作の制作で果たした役割について、教えてもらった。(全3回)
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原作でのコンテンポラリー取材がきっかけ
――まずは本作に宝満さんが「振付」として参加されたきっかけから、教えていただけますか?
以前、原作のジョージ朝倉さんがコンテンポラリーダンスの動きを描くにあたり、僕のコンテンポラリーダンスレッスンを見学したいという旨のご相談を受けて、実際にレッスンを見学していただいたことがありました。
――コンテンポラリーダンスは、“バレエ”と聞いて多くの方がイメージするクラシックバレエとは異なる、現代的・前衛的なダンスを広く指す言葉ですね。今回アニメ化される範囲ではありませんが、コミックス14巻頃からコンテンポラリーダンスが描かれていきます。
そのときに初めてジョージさんとお会いして、色々お話しさせていただいたのですが、まさか今回こんな素晴らしい企画に声をかけていただけるなんて夢にも思っていなかったので、とても嬉しく思います。
――コミックス16巻の巻末には、ジョージ朝倉先生がコンテンポラリーダンスについて取材されたレポート漫画があり、宝満さんにも触れられていましたね。原作のことは以前からご存知でしたか?
存在は知っていましたが、実際に読んだことはなくて、ジョージさんとお会いした時から読みはじめました。
――バレエダンサーからご覧になって、原作はいかがでしたか? 魅力を感じた部分や共感された部分などありましたら、教えてください。
踊りの世界というのはとても不思議なもので、アスリート的な要素と芸術的な要素の両面があります。特にクラシックバレエはどんな踊りでも、身体の向きから手の位置、足の高さに至るまですべてにおいて、ダンサー共通の身体言語である“ポジション”がロジカルに組み合わされて成り立っているとも言えます。
ですがそれだけではない、パッションだったりそのダンサーの人間性だったり、言葉では言い表わし難い抽象的な部分が観客の心を動かします。ジョージさんはこの抽象的な部分をキャッチする感性がとても敏感で、それを漫画として大切に表現されているように感じます。