「ワクワクと不安が入り混じった気持ちでした」
――今回、ゲームの映画化になりますが、映像になる前はどのような想像をされていましたか。
正直、ワクワクと不安が入り混じった気持ちでした。やっぱりもともとがゲームファンだったのもあって、映画になってどういう形に変わるのかなと思っていたんです。しかもゲームでは、ほとんど他者とのコミュニケーションがないキャラクターがアリス。これをどう膨らませていくのかという気持ちがあったのですが、実際観るとその切り口に驚かされた部分が随所にあって新鮮でした。私自身、ゲームファンの方に、アリスの“その後”も含めて、映画を通して見せられるところがすごく嬉しかったんです。
逆にゲームをやったことがない方でも、音楽が美しい作品なので、その音楽を聴くだけですごく没入感があると思うんです。音楽や演奏、もちろんストーリーもですが、すごくのめり込める映画なんじゃないかと思います。
――声優として、今回の役を演じるにあたって特別意識したことは?
幼い役を演じるときって、だんだん演じ手のリアルな年齢は離れていってしまうものなんですよね。ですから、歳を経るにしたがって、難しくなってしまうというのが悩みどころなんです。私の場合は、普段から電車や自宅の近くで遊んでいる子どもの声をよく聞いて観察していますね。その中で、子どもたちがどうやって声を出しているのかを研究しているんです。子どもって“そこからそんな声出る!?”みたいな声を出したりするんですけど、それをマスクのなかで練習してみたりして、めちゃくちゃ研究しています。もちろん、作品によってどこまでデフォルメしていくか、という部分を変えたりしていきながら、そういう日常で得た何気ないものを作品に活かしたいんです。
――なるほど。ところで本作は、独特のダークな世界観の魅力が溢れるアニメーションですが、竹達さんは本作のどんなところに惹かれますか。
やっぱりミステリアスなところが魅力かなと思うんです。ゲームもそうですが、大きな木が出てきて、それが曲を弾くことでどんどん伸びていく。そこがすごく象徴的ですよね。アニメの中でもピアノを弾くと木が成長していくんですが、息を呑むような美しさで、ゲーム「DEEMO」の要素が詰まっていると思いました。
PROFILE
竹達彩奈
埼玉県出身。声優、アーティスト。09年、『けいおん!』(中野梓)で注目を集め、以降数々の人気作で声優を務めるなど活躍している。近年の代表作に『ソードアート・オンライン』(リーファ/桐ヶ谷直葉)、『五等分の花嫁』(中野二乃)など。アーティストとしても精力的に活躍中。
<作品情報>
劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』
2022年2月25日(金) 全国ロードショー
【STORY】
音楽によって解き明かされていく過去と、この世界の秘密―――
ピアノが鳴り響く音楽学校。聴く者全てを惹きつける見事な旋律を奏でるのは少し影のある少女、アリスだ。人と交わろうとしない彼女だが、好奇心の強いサニア、優しいロザリアと出会い、徐々に変化が訪れる。
空から一人の幼い女の子が落ちてくる。記憶を失くしていたが、黒の紳士がDeemo ということはなぜか知っていた。Deemo がつま弾くピアノの旋律に誘われるように、少女は「アリス」という自分の名前を思い出す。そこには、彼女を優しく見守るぬいぐるみのミライ、くるみ割り人形、フワフワと宙に浮く匂い袋がいた。
ピアノの音色で成長する木が天窓まで届けば元の世界に帰ることができるのではと考えたアリスたちは、城に隠された楽譜集めを始める。そこでアリスは表情を隠した仮面の少女と出会う。「あなたなんて、嫌い」と言う仮面の少女とアリスの関係は?
仲間たちとの楽譜集めの冒険。仮面の少女の心。そしてDeemo という存在の謎。時にアリスの頭をよぎる桜並木。
途中で止まる記憶の旋律――。
過去・現在・未来に大きな波紋を広げる音色が、次第にアリスの記憶の扉を開いていく。
【CAST】
竹達彩奈 丹生明里(日向坂46) / 鬼頭明里 佐倉綾音
濱田 岳 渡辺直美 イッセー尾形 松下洸平 / 山寺宏一
【STAFF】
原作:Rayark Inc.「DEEMO」
総監督:藤咲淳一
監督:松下周平
副監督:平峯義大
脚本:藤咲淳一、藤沢文翁
主題歌制作:梶浦由記
主題歌:Hinano「nocturne」(PONY CANYON)
製作・配給:ポニーキャニオン
【公式サイト】deemomovie.jp
【公式Twitter】@DeemoMovie
(C)Rayark Inc./「DEEMO THE MOVIE」製作委員会