ヒットメーカー梶浦由記が語る新世代の歌姫Hinanoの魅力【劇場版『DEEMO サクラノオト』主題歌制作・梶浦由記インタビュー①】の画像
ヒットメーカー梶浦由記が語る新世代の歌姫Hinanoの魅力【劇場版『DEEMO サクラノオト』主題歌制作・梶浦由記インタビュー①】の画像
幻想的な世界観とクオリティの高い音楽で、世界中で絶大な支持を受けている音楽リズムゲーム「DEEMO」。このゲームが劇場版アニメーションに生まれ変わり、まもなく公開される。主人公の声はゲーム版に続いて竹達彩奈が担当し、松下洸平が初声優を務めていることも話題となっている注目作だ。

 

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「WEB声優MEN」ではこの劇場版『DEEMO サクラノオト -あなたの奏でた音が、今も響く-』の公開を記念し、リレーインタビューを展開! まず登場してくれたのは、『鬼滅の刃』『ソードアート・オンライン』シリーズなどの音楽でも知られ、本作の主題歌を担当した梶浦由記。本作の鍵となる主題歌『nocturne』に込めた想いや、異例の大規模オーディションで発掘された新人Hinanoの魅力について語ってもらった。(全3回)

 

“失ったものにどう向き合うか”を描いた物語 

 

 

――この劇場版『DEEMO サクラノオト』は大人気音楽リズムゲーム「DEEMO」の劇場版となりますが、主題歌を制作される上で大事にされたのはどんなところでしょうか?

 

まずは原作「DEEMO」の世界を裏切ってはいけないということですね。もともと「DEEMO」というゲームにはその世界の音楽があるので、そこから逸脱せず、あの世界にちゃんと流れている音楽を作りたいと思いました。

 

――空から降ってきた少女を元の世界に戻そうと、謎の生きもの“Deemo”がピアノの音色によって伸びる木を成長させるために演奏する……というのが、ゲーム「DEEMO」のストーリーです。その幻想的な世界に寄り添うことを大切にされたのですね。

 

そうですね。でも厳密に言うと、今回私が作らせていただいた音楽はあの世界の音楽ではないんです。なので、その辺りも考えながら作っていきました。

 

――劇場版では、空から降ってきた幼い少女アリスと“Deemo”たちが交流していくパートと、成長した少女アリスが音楽学校で同級生たちと友情を育んでいくパートが、交互に描かれていきます。その中で、失われたアリスの記憶や謎が紐解かれていきますが、この脚本を読まれたときはどんなことを感じられましたか。

 

“失ったものに対してどう向き合うか”というのは、誰もが突き当たる問題だと思うんですね。すべて忘れ去ることはできないし、きちんと残しておきたいけれど、そこに囚われすぎても前に進めない。だけど立ち上がって進んでいかなくてはいけない。私たちは、悲しみや思い出とどう向き合ったらいいんだろう。そういった、誰もが二度三度と経験するであろうことが描かれているので、きっと色々な人が自分を重ねて、主人公アリスの行方を応援したくなるだろうなと思いました。

 

――試写もご覧になったそうですが、そのときの感想も教えていただけますか。

 

私は主題歌と劇中歌を1曲を書かせていただいただけなので、全体を観たのは試写が初めてだったのですが、まず音楽が非常に素晴らしかったです。ゲームのオリジナル曲はもちろん、新しく加わった劇伴も本当に素晴らしくて。そして絵も見入ってしまうほどで、これはぜひ多くの方にご覧いただきたいと思いました。この素敵な作品の主題歌を書かせていただいたこと、そしてHinanoさんという素晴らしい歌い手さんと出会えたことは純粋に嬉しい経験でしたし、忘れがたい作品になると思います。

 

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