男の子ならではの後先考えない行動力を描きたかった
――本作は企画の初期段階から「男子3人の物語」というのは決まっていたそうですが、なぜ男の子を描こうと思われたのでしょうか。
「『宇宙よりも遠い場所』では女の子たちの内面や友情を掘り下げて描いたんですが、フィジカルなストレスをかけてないなと思ったんですね。体力的に追い詰めるとか、あえて危険な行動をさせるとか、体力勝負なことを。その点、やっぱり男の子のほうが潔くバカができるというか、後先考えずに高いところから飛び降りちゃう、みたいなことができる。その行動力や自分を信じてしまっている男の子ならではの感じって、私としてはうらやましいところなんですよね。そういう無茶ができるキャラクターをぜひ描いてみたいなということで、男の子の物語になりました」
――女性である監督が男の子たちを描くにあたって、驚いたことや発見したことなどはありましたか。
「実際に若い男性スタッフに話を聞いたりというリサーチはもちろんしつつ、しばらく自分でも男子中高生になったつもりで、“男子らしさ”にアンテナを張りながら過ごしてみたんですが、意外と目からウロコっていう発見はあまりなくて。むしろ『やっぱりそうなんだ!』ってことが多かったですね(笑)。男子のキャラクターって、映画などでずっと描かれてきているじゃないですか。それがリアルなものなんだと確認できた、実感として掴めたという感じです」
いしづかあつこ
2004年MADHOUSEに入社し、多数のMADHOUSE作品で監督・演出を担当。監督として、TVシリーズ『ノーゲーム・ノーライフ』『ハナヤマタ』『プリンス・オブ・ストライド オルタナティブ』と精力的に作品を生み出す。2017年『ノーゲーム・ノーライフ ゼロ』で劇場版初監督を、2018年にはオリジナルアニメーション『宇宙よりも遠い場所』の監督を務めた。
<作品情報>
映画『グッバイ、ドン・グリーズ!』
2022年 2月18日(金)全国ロードショー
東京から少し離れた田舎町に暮らす少年・ロウマ。周囲と上手く馴染むことができないロウマは、同じように浮いた存在であったトトと二人だけのチーム“ドン・グリーズ”を結成する。その関係はトトが東京の高校に進学して、離れ離れになっても変わらないはずだった。
「ねえ、世界を見下ろしてみたいと思わない?」
高校1年生の夏休み。それは新たに“ドン・グリーズ”に加わったドロップの何気ない一言から始まった。ドロップの言葉にのせられた結果、山火事の犯人に仕立て上げられてしまったロウマたちは、無実の証拠を求めて、空の彼方へと消えていったドローンを探しに行く羽目に。ひと夏の小さな冒険は、やがて少年たちの“LIFE”(生き方)を一変させる大冒険へと発展していく。
【STAFF&CAST】
監督・脚本:いしづかあつこ
キャラクターデザイン:吉松孝博
出演:花江夏樹 梶 裕貴 村瀬 歩/花澤香菜/田村 淳(ロンドンブーツ1号2号) 指原莉乃
主題歌:[Alexandros] /「Rock The World」(ユニバーサルJ / RX-RECORDS)
配給:KADOKAWA
【公式サイト】https://donglees.com/
【公式Twitter】@gb_donglees
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