世界でも絶賛されたTVアニメ『宇宙よりも遠い場所』のいしづかあつこ監督×MADHOUSEによる、オリジナル長編劇場アニメーション『グッバイ、ドン・グリーズ!』。2月の公開に先駆け、1月9日に本作のスペシャルトーク付き試写会が開催された。上映後にいしづか監督、キャラクターデザインの吉松孝博、そしてアニメ好きである元乃木坂46・松村沙友理が登壇。作品の制作秘話や現場のエピソードを明かしてくれた。
※ ※ ※
お客さんの名前がエンドロールに増えていく感覚
上映後のトークイベントは初といういしづか監督。嬉しそうな笑みを浮かべ、まずは観客に観てもらった今の気持ちを語った。
「映画って作っただけで終わりじゃなくて、公開してお客さんの目に触れて初めて完成だと思っているので、観に来てくださった皆さんの名前がエンドロールに流れるといいますか、この映画の完成に皆さんが携わってくださっているという感覚になるんですよね。だからこれから、この映画のエンドロールに名前が増えていくのがすごく楽しみです」(いしづか監督)
そして『宇宙よりも遠い場所』も大好きという松村が、「ファンのひとりとして、根掘り葉掘り訊きたいと思います!」と監督&吉松を直撃。監督が「作り手の最終的な憧れは、お客さんにダイレクトに自分の想いを伝えて、その返事をダイレクトに受け取ること。それが一番できるのはオリジナル作品なので、今回挑戦できてすごく良い機会をいただけました」と話すと、松村は興奮気味に「わかります! オリジナル作品って、めっちゃいいですよね!」とレスポンス。「オリジナルってワクワクドキドキするんですよ。皆さんが0から作り出したものって、すごく尊い気がしちゃって」と熱弁を奮った。
すると監督&吉松は「オリジナルって、作る方はすごくビクビクするんですよ」と作り手の心情を吐露。「なので私は脚本や絵コンテを渡したとき、いつも吉松さんにリアクションを求めるんです」と監督が話すと、吉松も柔らかい表情で「僕は監督の一番身近にいるお客さんなんでね」と語り、2人の深い信頼関係が伝わってきた。
ちなみに本作の脚本を読んだとき、吉松は「いしづかさんがお客さんの胸を突き刺すようなストレートな話を作ってくれたので、やりがいがあるな」と思ったのだそう。クライマックスのシーンの絵コンテは「これは涙で死人が出ますよ」と絶賛し、監督の記憶にも深く残っているそうだ。