“映画が強くなっていく瞬間”を実感した

 

©︎サマーゴースト

Q.今回の声優はオーディションで選ばれたのでしょうか。


「そうですね。ただ、僕はいただいたサンプルボイスみたいなものを決定打にはしてはいなくて。基本的に出演されたラジオや番組を見て、その人の地の声を聞いて決めていきました」


Q.小林千晃さん演じる主人公・友也は成績優秀ながら、進路や自分のいまに関していろんな疑問を抱えている高校生でした。声のキャストに関して、どのように選ばれたのでしょうか。


「小林さんは、一言で言えば、すごいバランス感覚だなと。今回のキャラクターは感情を表に出さない淡々とした部分があって、その落ち着いたトーンの中に主人公としての華があるというのをちゃんと感じましたし、これが主人公たる声優さんかと思い、驚きました」


Q.島﨑信長さん演じる涼は、クールで大人っぽいところもありますが、ある秘密を抱えたキャラクターですね。


「このお話は涼が引っ張らないといけない話だと思っていまして、そういう意味ではもう一人の主人公です。優しいけど、冷たいというような人物の難しいラインをお願いしたにもかかわらず、最初の数テイクでもう大丈夫だなと思いました。実際、その技術は計り知れないものがあるなと感じていました」


Q.島袋美由利さん演じるあおいは、芯の強さを持った高校生ですが、学校では人間関係の悩みを抱えています。その声の魅力は?


「島袋さんは、(あおいの)心の奥でいろんなことを考えているけれど、自信がなくて表に出せないというところを繊細に演じてくださいました。声が遅れてくるというのか、そこがキャラクターのベースとして考えていたので、こんなに完璧にハマることがあるのかと思い、すぐに決めさせていただきました」


Q.川栄李奈さん演じる「サマーゴースト」と呼ばれる少女・絢音は、声にいろんな表情があり、他の3人とは声質も違うアンサンブルになっています。


「アニメのキャラクターは見た目は絵ですが、声は当然人間ですよね。それを劇場で見るときに、俳優さん、声優さんどちらのアプローチがより的確なのかを考えることが多いのですが、今回の絢音に関しては他の3人とは絶対的に違うキャラクターだというのはあったので、そういう意味で3人の側と出自の違う方に演じてもらえたらすごく効果的なんじゃないかと思っていました。実際、絢音というキャラクターはミステリアスでなおかつ、少し彼らよりお姉さんでもあり、大人びているけれど、彼らをからかっていたりもしそうという点で、すごくフィットしていることを感じました。

 川栄さんがアフレコの際に、絢音は可愛いキャラクターだと思っていた、という話をされていて。僕はお姉さん的なキャラクターにしたいとイメージを伝えるなかで、川栄さんだからこその絢音になっていく瞬間を感じました。キャストの皆さんには、そうやって映画がより強くなっていく瞬間を、収録現場で体験させていただきましたね」


Q.それぞれの演じ手が、作品に声で命を吹き込んでいく瞬間を目の当たりにした、と。


「それが嬉しかったですよね。イラストレーターは個人で仕事をするため、ある意味で肩肘張って作ってきていて、そういう感覚がどうしても抜けないなと思うんです。けれど、今回のアニメーションの現場では、こっちもいいよねと思える局面が多くて、それが多かったことが本当にありがたかったと感じています」

 

インタビューは、後編に続く……

 

INFORMATION

 

 

『サマーゴースト』
全国公開中

【CAST】
杉崎友也役:小林千晃、春川あおい役:島袋美由利、小林涼役:島﨑信長
佐藤絢音役:川栄李奈

【STAFF】
原案/監督:loundraw
脚本:安達寛高(乙一)
キャラクター原案:loundraw
音楽:小瀬村晶、当真伊都子、Guiano、HIDEYA KOJIMA
企画:FLAGSHIP LINE
アニメーション制作:FLAT STUDIO
製作・配給:エイベックス・ピクチャーズ

【STORY】
「サマーゴーストって知ってる?」
ネットを通じて知り合った高校生、友也・あおい・涼。都市伝説として囁かれる“通称:サマーゴースト”は、若い女性の幽霊で、花火をすると姿を現すという。自身が望む人生へ踏み出せない"友也"。居場所を見つけられない"あおい"。輝く未来が突然閉ざされた"涼"。彼らにはそれぞれ、サマーゴーストに会わなくてはならない理由があった。生と死が交錯する夏の夜、各々の想いが向かう先はーー。

公式サイト:https://summerghost.jp
公式Twitter:@summerghost_PR
©︎サマーゴースト

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