「50回以上観ている大好きな映画はコレ」声優・堀江瞬、映画を語る!〈おすすめ外国映画3選〉「ホリエル、シネマる。 リバイバル<5>」の画像
堀江瞬(『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』より)

声優としてはもちろん、近年はSparQlewのメンバーとしてアーティスト活動も精力的に行なう堀江瞬さん。『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』は、その堀江さんに映画の魅力を聞き、ユニークな写真とともに掲載したフォト&インタビューブックです。今回も、同書からダイジェストインタビューをお届け。マイフェイバリットな海外映画をピックアップしてもらいました。

※   ※   ※


海外の女優ではイザベル・ユペールさん、俳優では、ティモシー・シャラメさんがお好きという堀江さん。「ホリエル、シネマる。 リバイバル〜海外映画編〜」のラストとなる今回。その熱い映画談義を、お楽しみください。

 

〈堀江瞬が選ぶ、おすすめ外国映画Part3〉
『ヴィオレッタ』(2014年公開)
『マイ・フレンド・フォーエバー』(1995年公開)
『プラダを着た悪魔』(2006年公開)

 


母と娘の因縁の深さを感じる衝撃作品

Q.『ヴィオレッタ』も『シシリアン・ゴースト・ストーリー』と同じく、実際にあった出来事がベースのお話。ただ、当事者が映画監督自身であるところは違うかもしれません。
「これも明るいとは言えないお話ですよね。イザベル・ユペール演じる写真家のアンナが、娘のヴィオレッタに偏った愛情で接した結果、彼女は芸術と称していますが、いわばポルノモデルにしてしまうわけです。
そして、ヴィオレッタ役の子が、お芝居も相まって、その年齢にそぐわない蠱惑的な表情をする。だから余計に異常さが際立って見えるんです。さらに、ヴィオレッタのモデルというのが、本作の監督のエヴァ・イオネスコだという点もスキャンダラス。彼女が自らの過去を映画にしているところに、母との因縁の深さを感じます」


Q.後半、母親のアンナがある告白をする場面がありますが、それが衝撃的でした。
「それが事実かどうかまでは、この映画では明らかにはされていませんが、そういったタブー視されていることを世に出すことが衝撃ですし、勇気を感じます。本当に観ていいのかたじろいでしまう映画ですし、観てはいけない事柄をこっそり観ている感覚にさせられる感覚がありました」


心が汚れているなと思ったときに観る映画

Q.『マイ・フレンド・フォーエバー』は、少年ふたりの青春ストーリーで、以前から堀江さんがオススメに挙げていた作品ですね。
「好きな映画を聞かれたら必ずといっていいほど挙げています。病気を患うデクスターと、その隣人のエリック、ふたりの少年の友情を描いているんです。彼らの友情が育まれていく過程が好きですね。何度観ても新鮮な気持ちで観られるし、心が汚れているなと思ったらこれを観て涙を流し、心をリセットさせています」

 

Q.涙してしまうのは、どのシーンですか。
「やっぱり最後のシーンですね。観る人それぞれに解釈が委ねられるところだと思うのですが、何度観ても感動してしまいます。さらに主人公の一人、エリックを演じたブラッド・レンフロがもう亡くなっているのも相まってその背景も込みで観ているとより切ない思いに囚われてしまいますね…。リバー・フェニックスの死を知って観る『スタンド・バイ・ミー』のような感じがあります」


Q.そのレンフロ演じる快活だけど、周囲になじめないエリックと、病に侵されながらも無邪気なデクスター(ジョゼフ・マゼロ)の少年ふたり。堀江さんはどちらに共感しますか。
「エリックですね。相手のことが気になるのに突き放してしまう感じや、不器用なところに親近感が湧きます。僕自身も友達付き合いが下手なので、そういう子ども独特の不器用さみたいなものに、自分に近いものを感じて、よりのめり込んで観ています」

  1. 1
  2. 2