「ジャンルがどんどん変わる映画が好き」声優・堀江瞬、映画を語る!〈おすすめ外国映画3選〉「ホリエル、シネマる。 リバイバル<3>」の画像
堀江瞬(双葉社『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』より)

声優・堀江瞬さんの映画にまつわるフォト&インタビューブック『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』(双葉社刊)。WEB声優MENでは、堀江さんが同書で語ったロングインタビューを、ダイジェスト版でお届けします。今回は、堀江さんが愛する外国映画編です! 

 

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幼少期から映画を観て、数々の映画に影響を受けたと語るのは、アニメ『ドラゴン、家を買う。』、『ヴィジュアルプリズン』、ゲーム『原神』などで活躍する声優・堀江瞬さん。「外国映画編」と題して、数多の映画からお好きな作品をピックアップしてもらいました。今回は、おすすめの3本をご紹介!

 

〈堀江瞬が選ぶ、おすすめ外国映画Part1〉
『10クローバーフィールド・レーン』(2016年公開)
『海底47m』(2017年公開)
『アンチヴァイラル』(2012年公開)

 


ジャンルがどんどん変貌していくところが魅力的

 

Q.まずは『10クローバーフィールド・レーン』から伺います。どんなところにおもしろさを感じましたか。


「この映画はミシェルという女性が車に乗っていると、ある事故に遭ってしまうんですね。彼女があるシェルターに連れて行かれて、外の世界では死のウイルスが蔓延しているとそこの主人に聞き、隔離された生活を送ることになるんです。で、そのシェルターの空間で話のほとんどが完結する。簡素な設定なのに、ハラハラできて、想像した映画のラストをしっかり裏切ってくれる映画です」


Q.印象的なシーンは?


「序盤でウイルスに侵された女性が、シェルターの扉に現れるところですね。ミシェルは自分の意志とは関係なく地下シェルターに連れてこられたので、外の世界が危険だということに疑念を持っている。しかし、血まみれの女性が地下シェルターの扉一枚隔てた目の前でウイルスに侵されるさまを見て心境が変化していく。その場面以降、終盤にかけて、この映画は“ジャンル”をどんどん変えていくところがすごいですし、前作を観ていなくても楽しめると思うのでおすすめです」

 


生理的な気持ち悪さについハマってしまう

 

Q.挙げていただいた『海底47m』もパニックムービーです。海に沈めた檻からサメを眺める「シャークケイジダイビング」を題材にして、ある姉妹がそれに参加するわけですが、檻が海底に落ちてしまい、密室劇になっていきます。


「これもハラハラしたいときにうってつけです。海の恐ろしさがひしひし伝わりますよね。この映画を観ると、実際この深さまで落とされたら海底を2、3m移動するのも命がけ。それが大げさに描かれているわけではないから恐怖感を煽りますよね。僕は子どもの頃から海そのものがめちゃくちゃ恐いので恐怖で震えて観ました。後半には、予想を裏切ってくる展開もあって、推理要素もあるし、ハッピーエンドと捉えていいのか悩ましいラストも含めて、大好きです」


Q.ところで、この映画はサメとの恐怖とも闘いますが、動物が出て来るパニック映画ではどんなものがお好きですか。


「虫ですが、デヴィッド・クローネンバーグ監督の『ザ・フライ』は大好きです。科学者がハエと融合してしまう映画で、グロいのが苦手な方は厳しいと思いますが、僕は楽しく観てしまうんですよね(笑)」

 

Q.衝撃的な映画ですよね。そのクローネンバーグ監督の息子、ブランドン・クローネンバーグが監督を務めた『アンチヴァイラル』も挙げていただきました。


「これを選んだ理由はもう僕の性癖です(笑)。この映画の雰囲気と作風が本当に好きで。僕の家の中にも虫の標本のコレクションがあるのですが、この映画は人間を標本化したような世界観なんですよね。そもそも小学校の頃のガチャガチャで、眼球のおもちゃのシリーズがあって。その気持ち悪さにハマって、気付いたら標本を集めていました。子どもの頃ってちょっと気色悪いものに惹かれていきますが、そこから卒業できなかったのが僕みたいな大人なのかなと(笑)」


Q.ただ、本作は、セレブの疾病が売られている近未来のお話で、それに感染することが人々の間でステータスになっている。収集している「もの」がすごいですよね。


「好きなセレブの女性のウイルスを体内に入れたいという欲望を持った、この主人公がまさにそれですよね。嗜好って誰にもあって、見方によっては彼が歪んだ嗜好をもっているように見える人もいると思います。けれど、そういう嗜好を持って生きていてもいいんだよ、という許しを勝手にもらえた感じがありました」

 

Q.『時計じかけのオレンジ』のアレックス役で知られるマルコム・マクダウェルも医師役で登場していましたね。


「気付きませんでした!『ミッドサマー』に『ベニスに死す』のビヨルン・アンドレセンが出ていたと知ったとき並の衝撃です(笑)。ともあれ、この映画はオリジナリティもありつつ、やはりクローネンバーグ監督のトラウマ級の気持ち悪さを描くエリートの血筋を感じました。今後も追いかけたい監督さんです」

 

堀江さんが奇妙な世界観を持つ映画に惹かれていく理由とは……。
尽きることのない映画談義の続きはPart2で!

 

<過去記事>

「ホリエル、シネマる。リバイバル」

 

『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』では、他にも堀江さんのオススメ映画を紹介しています。詳細はコチラ!

『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK 』

発売中

定価:2,200円(本体2,000円)

判型:B5判

ISBN 978-4-575-31596-7

 

PROFILE
●堀江 瞬 Shun Horie
5月25日生まれ。大阪府出身。15年に声優デビュー。近年の主な出演作: 『ヴィジュアルプリズン』(ロビン・ラフィット)、『魔王イブロギアに身を捧げよ』(イブロギア)、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(チウ)、『ドラゴン、家を買う。』(レティ)、など。19年にKiramuneレーベルにて、SparQlewのメンバーとしてCDデビュー。アーティストとしても活動中。

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