Q.ファッションカルチャーというか、もはや肉体改造の世界といえるのが『蛇にピアス』。舌を分割するスプリット・タンが公開当時話題になりました。

 

「金原ひとみさんの芥川賞受賞作の映画化ですが、本当に衝撃を受けましたね。原作も大好きなんです。過度なボディピアスをしている人々が出てくるんですが、彼らの気持ちを考えると他に気持ちをぶつけることができずに自分の身体に穴を空けたり、改造してしまうのかと思ってしまいます。けれど、僕自身はその人間の脆弱さにすごく親近感を抱きます」


Q.吉高由里子さん演じるルイをめぐって、アマ(高良健吾)、シバ(井浦新)のいびつな関係が描かれますね。

 

「そうそう、ただの男と女の話じゃないんですよね。そのヒリヒリした感じに興奮します。あと、僕は吉高由里子さんのお芝居が大好きなんです。もともと『ラブシャッフル』というドラマで初めて吉高さんを知りまして。バブリーな空気感が楽しいラブコメだったので、『蛇とピアス』の吉高さんのその演技の幅広さにはなおさら驚かされました」


Q.次の『亀は意外と速く泳ぐ』は、不条理系コメディで、こちらも個性的や役者さんが楽しい作品ですね。

 

「僕は『アメリ』というフランス映画がすごく好きで、そういうテイストの日本映画を探していたら出会った作品です。ブラックユーモアやシュールさがあって、脚本が奇抜ですよね。上野樹里さん演じる主婦のスパイ活動を描いていて、その随所に子どもの頃の遊びの感覚というか、ワクワク感が詰め込まれているんです。
たとえば、映画の序盤にスパイを勧誘する極小の広告が出てくるのですが、そういうギミックだけで子どもの頃にやっていた秘密基地ごっこを思い出しました。映画を観たあと、その極小広告を探しに町に出るほどのめり込んでしまいましたし(笑)。やはり、僕は日常に非日常が入り込んでいる映画が好きなんだと思います。序盤から出ていたある人物が後半では伏線になっているところも意外性があって面白いです」

 

堀江さんの熱くディープな日本映画語りは、まだまだ続きます。堀江さんの映画愛が炸裂した後編もお楽しみに。

 

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定価:2,200円 (本体2,000円) 
判型:B5判 

出版社:双葉社
ISBN 978-4-575-31596-7 

PROFILE
●堀江 瞬 Shun Horie
5月25日生まれ。大阪府出身。15年に声優デビュー。近年の主な出演作: 『ヴィジュアルプリズン』(ロビン・ラフィット)、『魔王イブロギアに身を捧げよ』(イブロギア)、『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』(チウ)、『ドラゴン、家を買う。』(レティ)、など。19年にKiramuneレーベルにて、SparQlewのメンバーとしてCDデビュー。アーティストとしても活動中。
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