声優の堀江瞬さんが、愛する映画について語った書籍『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』(双葉社刊)。今回から「WEB声優MEN」で、本書の内容を再構成したダイジェスト版をお届けします。堀江さんのおすすめ映画はもちろん、映画への熱い想いが伝わる本書にぜひ触れてみてください!
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堀江さん独自の感性と、声優ならではの鋭い人間観察で映画について語っていただいた『SHUN HORIE ホリエル、シネマる。 1st PHOTO BOOK』は、雑誌「声優MEN」の連載をまとめた一冊。今回は、その内容を抜粋した【おすすめ日本映画編】のインタビューを抜粋してお届けします。
『吉原炎上』(1987年公開)
『下妻物語』(2004年公開)
『蛇にピアス』(2008年公開)
『亀は意外と速く泳ぐ』(2005年公開)
花魁の刹那的な美しさに魅入られてしまう
Q.堀江さんにさまざまな切り口で映画への愛情を語っていただきたいと思っています。テーマは「日本映画」で、お好きな邦画を選んでいただきましたが、1本目は『吉原炎上』からいきましょう。この映画は、吉原に生きる花魁5人を描いていますね。
「中学生くらいのときにTVで観たのが初めてだった気がします。花魁たちの情念とでもいうべきものを全編で感じられる作品です。美術や着物などの色彩も美しくて、80年代の映画なのにいま観ても斬新で新しく感じられます」
Q.特に印象的なシーンを教えてください。
「名取裕子さん演じる主人公の友達(仁支川峰子)が色狂いになってしまうシーンで、絶叫するところが衝撃でした。赤い布団部屋で悶えているのですが、本当におぞましく、慄然としてしまいます。ただ、映画全体を通して観ると、彼女たちの泥に咲く蓮の花のような刹那的な美しさに魅入られてしまいます」
Q.女優さん一人ひとりの力強いお芝居と、タイトル通り、崩壊していく色街が儚い作品ですよね。続いても女性たちを描く物語で、土屋アンナさんと深田恭子さん主演の『下妻物語』です。
「この映画は昔、深田さんが可愛いからぜひ観てほしい、と友達に薦められました。映画を観て、ロリータファッションのことを深く知りたいと思うきっかけにもなりましたし、男でもゴシックな格好ができないかなと考えるようになりました。観た当時からいまに至るまで、そういったファッションで知られる、ALI PROJECTさんをよく聴いていますが、この映画ともども非常に影響を受けました」