■最近は『ごちうさ』の丁寧さに泣く

 その後もライブなどで感極まって涙を流すことも多かったが、1番最近泣いたのはアニメ『ご注文はうさぎですか?BLOOM』だ。オンエアを見て泣いた。

 ごちうさは私もマヤ役で出演していて、一般的には”日常系”なんて言われることもある。とにかく「かわいい」に特化した作品で、登場人物はもちろん暮らす街並みもとてもかわいい。確かに激しい戦闘や視聴者を絶望に追い込むようなシリアスな展開はなく、安心できるという意味では日常系作品なのかもしれない。でももし私からみてひと言で表すならば「丁寧な作品」だ。

 ただ単に見ているだけでかわいいからごちうさが面白いのではない。かわいい上に、おもしろいから面白いのだ。原作はKoi先生の描く4コマ漫画で、2014年からアニメ化されている。

 Koi先生の美しすぎる絵はどんなに大きなタペストリーにも対応し(大変うれしい)、登場人物たちの衣装や髪型も非常に繊細で(パターンが無限大)、どれを見てもときめいて(100%全部かわいい)、手を合わせたくなるほどのありがたさでいっぱいになる(これが尊いなのか)。私も家中にごちうさを飾ってから、ふとした瞬間に「かわいい」を感じることができ人生の充実度がグッと上昇した。オススメの健康法と言っていいだろう。

 ごちうさの世界ではいわゆるサザエさん時空ではなく時間が進んでいく。我々からしたらかわいいと思えるような小さな悩みや問題でも、チノちゃんたちは真摯に向き合って、みんなで力を合わせて解決して……。丁寧な1歩1歩は、どんな人にも寄り添うようなスピードだ。彼女たちを見守っていると思っていた我々だけど、いつの間にかチノちゃんたちの存在は新しい世界へひっぱってくれる強いリードに変わっていた。

 そしてなにより、ごちうさの世界は本当に優しい人ばかり。「世の中が思いやりであふれたらいいのに!」と思っている人にはぜひ見てもらいたい。アニメ3期になり、チノちゃんたちも進路を決める時期がやってくる。ここまで描かれた日常から、人生の大きな選択になったとき何を大切にするのか、何が決め手となるのか。いつも一緒にいたい大好きなみんなだけど、関係性が深くなったからこそ自分の意思をはっきり持てるというあたたかい信頼感。また、それを認めて応援してくれる仲間はいつも相手の幸せを願っている。それぞれが思わず「ありがとう」を伝えたくなるところ、本当にステキだ。

 なんと丁寧な作品なんだろう。たくさんの「ありがとう」が咲き誇る『ごちうさBLOOM』丁寧に放送中です!

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