■第1位はクールなイケメンライバル流川楓

 25.7%の人から支持され、見事第1位に輝いたのは「流川楓」だ。桜木と同じ湘北高校のバスケ部のチームメイトだが、桜木からの第一印象は最悪。しかし桜木の本気のパンチを食らってもまともに立っていられたことから、“終生のライバル”と認定されることになる。

 中学生の頃からスタープレイヤーとして知られ、数多くの高校からオファーを受けていたにもかかわらず、「家から近い」というだけで湘北高校の無名バスケ部に入学。趣味が睡眠というほどほぼ寝ている上、自転車通学中や授業中も居眠りを連発。基本的にダルそうで無口、無礼者に見えてしまうのが玉にきずだと言える。今回のアンケートでは「井上先生の筆次第だけど、流川だけスピード感が違った」(42歳・男性)、「流川みたいな高校生がいたら全試合見に行く」(40歳・男性)、「山王戦でパスを覚えた展開は震えた」(39歳・男性)、「流川にボールが回るとページをめくるスピードも上がる」(43歳・男性)といったコメントが多数集まった。流川のバスケの実力が多くの読者の心をつかんでいたようだ。

 流川はまた、バスケに真摯に向き合う相手に対してはきちんと礼儀を払う一面もある。初心者だった桜木につっけんどんに「どあほう」と発言することも多いが、作中で最も桜木の実力を認めている人間の1人だろう。もし信頼関係がなかったなら、山王戦の勝敗が決まる局面で桜木にパスを出し、シュートを任せるはずがない。なお、今回のアンケートで見事「最強」に選ばれた流川だが、作者の井上雄彦氏が流川についてツイッターでコメント。ファンからの「バスケ選手としての流川の欠点は何ですか?」という質問に対し、「コミュニケーション能力。」とズバリひと言で言い放ったことが話題となった。

 以上、ランキングのトップ3を紹介。結果を振り返ってみると、3人ともそれぞれのベクトルで強いがマイペースといった特徴が似ている。主人公・桜木花道は惜しくもトップ3には入れなかったが、持ち前の根性やボールへの執着心、驚異的身体能力などが評価され7.3%の人から熱いコメントが集まった。まったくのバスケ素人からの出発と考えると、大健闘の結果と言える。

 なお作者の井上氏は11月16日からはじまった『井上雄彦とガウディのバルセロナ』のオープニングセレモニーにて、優れた活躍をした著名人に贈られる「ラティーノJAPAN賞」を受賞。また11月19日には、車イスバスケの世界を描いた『リアル』のコミックス最新15巻も発売となった。井上氏による漫画が今も世界中のファンを魅了し続けている。

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