■あのハンチョウ大槻も挙げていた『キャプテン』丸井編!
カイジのスピンオフ作品『ハンチョウ』。地下編でカイジとチンチロ勝負を繰り広げた班長・大槻を主役にした漫画。とてつもなく面白い作品で、腹ちぎれるくらい笑えます。とにかくもの知りでグルメや漫画に精通してるこの大槻が、漫画談義の回で「歴代のキャプテンの中で誰が好きか?」という問いに挙げていたのが、ちばあきお先生の漫画『キャプテン』に登場する2代目キャプテンの丸井でした。ハンチョウが言うなら間違いない。
このキャプテンという漫画の最大のポイントは「主役が変わっていく」ところじゃないでしょうか。一年を戦い通して、次のキャプテンになった者が主役となってまた一年間を戦う。初代から谷口、丸井、五十嵐、近藤と、四人のキャプテンが物語を紡いでいきます。野球マンガが好きな人たちが集まって「どのキャプテンが好きか?」という話をしたら盛り上がりすぎて、天体カメラで早送りしてる空ぐらいあっという間に朝になります。
初代キャプテン谷口が抱えていた“名門野球部出身なのに下手くそ”という劣等感を、努力で補い地区大会で華々しい結果を残し、続く丸井が二代目キャプテンとなって挑む第一戦。自分たちの実力を過信して対戦相手の下調べもしないまま試合を迎え、敗北してしまいます。
後輩のミスのせいにしたり、キャプテンを解任されそうになったりしながらも気持ちを改め、超ハードスケジュールの合宿をこなし、36校との練習試合を全勝し迎えた夏の地区予選。勝利を重ね、因縁の青葉学院との決勝戦。両者ボロボロになりながら延長18回を迎えます。
このとき丸井は「青葉(強豪校)とここまで戦えただけでも凄い。バッターボックスでは突っ立ってるだけでいいからな」とナインに伝えますが、自分はボロボロの体でフルスイングして渾身のヒットで出塁します。次の打順を迎えるのは次期キャプテンの五十嵐。五十嵐は「突っ立ってりゃいいって言ったくせに、酷なキャプテンだぜ」と、立ってるのがやっとの体で追い込まれながらもさよならホームランを打つのです! 本当にこの試合は読んでいて心が震えます。野球漫画史に残る名試合だと思います。