■個性的すぎる愉快な対戦相手たち

 本作の主人公は「リトル・マック」という白人青年。その名の通り、かなり小柄な体格です。そんな彼と、引退後は酒に明け暮れていた元ヘビー級ボクサー「ドック・ルイス」が出会い、マックをチャンピオンにするべく、二人の挑戦が始まる……というストーリーです。

 まるでボクシング漫画の王道のような物語ですが、登場する対戦相手はかなり個性派ぞろい。最初の対戦相手「グラス・ジョー」は、その名前から“ガラスのアゴ”と弱点を示しているだけあって、めちゃくちゃ弱い相手。対戦前に相手の戦績が表示されますが、そのデータによると「1勝99敗1KO」。逆にどんな相手に1勝できたのか気になるレベルです。

弱点のアゴが特徴的なグラス・ジョー

 3人目に出てくる「ピストン本田」は日本人選手らしく、『桜』の曲に乗って登場。しかし会話シーンになると「SUSHI、KAMIKAZE、FUJIYAMA、NIPPON-ICHI…」となぜか日本人らしくない片言のセリフで怪しさ満点……。

 6人目に出てくる「グレート・タイガー」も怪しさでは負けていません。インド出身の選手らしいのですが、父親が魔術師という彼の必殺パンチは『ストリートファイターII』のダルシムばりに瞬間移動しながら殴ってくるという衝撃的なものでした。

 ほかにも個性的な敵キャラクターが次々と現れ、その最後を締めくくる存在が当時ヘビー級王者だった「マイク・タイソン」です。

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