■前知識ゼロの人は映画をどう受け止めた?

 今回の「無限列車編」の上映終了後、新型コロナの感染予防措置で1席空けた隣に座っていた「鬼滅の予備知識ゼロ」の知人まで泣いていたことに驚いた。美しい映像とBGM、キャストの熱のこもった演技、それだけでなく泣いている人が多数いた映画館の雰囲気にも飲みこまれたそうだ。

 ストーリーの流れについては大枠は観ているうちに何となくは把握できたらしい(あとで聞いたら怪しい部分は多かった)。キャラクターも「味方側の人」「ちょっと偉い立場の人」「敵側の鬼」くらいのざっくりした分類だったが、ふんわりと理解していた。何者がどういう理由で戦ってるのかは不明だったそうだが……。

 もっとよく話を聞いてみると、映画の途中に「被り物」というセリフが出るまで、伊之助のことを「イノシシと人間のハーフ」だと思いこんでいたようで、逆に「柱という存在はどんな立場なのか」「あの女の子はなぜ箱の中にいて、竹をくわえているのか」などなど、延々と疑問点を質問されるはめになった。

 結局ひとしきり説明させられたあと、映画館を出た足で『鬼滅の刃』のコミックスを大人買いしていたので、よく分からないなりにも泣くほどの魅力を感じ、作品にハマったのは間違いなさそう。これが珍しいケースなのかは分からないが、今の話題性を考えたら知人のような感じで映画館に足を運ぶ人は今後さらに増えるのかもしれない。

(ふたまん編集部)

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