■ファンにさまざまな衝撃を与えた『範馬刃牙』
『範馬刃牙』という作品は、『グラップラー刃牙』『バキ』と続いたシリーズの第3部に当たる。『バキ』のラストシーンで主人公の範馬刃牙は、深い因縁のある父親の範馬勇次郎に挑戦を申し出たが、アニメ『範馬刃牙』はその戦いに至るまでを描くストーリーとなる。
個人的なファン目線で言わせてもらうと、この『範馬刃牙』の原作コミックは読めば読むほど面白くなるスルメのような作品だと感じる。次々と奇想天外かつ衝撃的なエピソードが飛び出し、連載中はその一部分だけがネタ的にクローズアップされがちだったが、正直連載を流し読みした程度では『範馬刃牙』の本当の意味での面白さは伝わらないのかもしれない。
第1部『グラップラー刃牙』で、刃牙の母親である朱沢江珠を殺したのが範馬勇次郎だ。無謀にも勇次郎に戦いを挑んだ幼年時代の刃牙は実の母親に守られて命拾いをし、その母親が身代わりのように勇次郎に殺されるという悲劇を生んだ。
「地上最強の生物」と呼ばれる範馬勇次郎に挑むことの意味、危険性を誰よりも知る刃牙が、どのような準備を経て再戦に臨むのか、そしてその戦いはどんな決着を迎えるのか、ぜひその目で見届けてほしい。