■仲間へのリスペクトがハンパない
アルフレドは「人を信じる心の尊さ、人を信じられる心の素晴らしさ、その心を大切にすることでは、貴族も煙突掃除夫も違いはありません」「僕はそれをみんなから学びました。そのことを誇りに思います」と、国王の前で煙突掃除夫である仲間たちの素晴らしさを説く。
ちなみに最大のネタバレをすると、この頃アルフレドは当時「不治の病」と言われた肺の病を患っていた。その要因は、言うまでもなく煙突掃除夫として連日ススや灰にまみれていたことに他ならない。それでもアルフレドは「煙突掃除夫であることを恥じたことはありません」と、自分を酷使した親方や病にかかったことに恨み言を言わず、ロミオたち仲間と出会えたことを純粋に喜んでいた。まさに聖人だ……。
■アルフレドが遺したもの
そんなアルフレドの生き様や言動は、登場人物にも多大な影響を与えていく。もちろんその筆頭は親友であり、主人公のロミオだ。アルフレドは「みんなが自由に学び、自由に生きられる時代が来る」「僕たちが作っていくんだよ」と、ロミオに自分の夢を語っていた。
その後ロミオは、最初に文字を教えてくれたカセラ教授の家でたくさんの本や知識に触れ、最終的には子どもたちを指導する「教師」となってアルフレドの語った夢を実現させる。
ほかにも、アルフレドから「おまえもいつかきっとロミオが好きになる」と力説された妹のビアンカや、「もしキミが髪に花を飾ったらきっと似合う」と言われたオオカミ団の男勝りな女の子・ニキータなど、アルフレドの“言葉”がどんな影響を与えたのかは、最終話ですべて明らかになる。
本作はロミオとアルフレドを始めとする「黒い兄弟」の仲間との友情を軸にした物語だが、アルフレドにまつわるエピソードを中心に見ていくと、彼がいかに優秀で人間的に素晴らしい人物だったのかを再確認できるはずだ。
現在YouTubeチャンネル「日本アニメーション・シアター」にて『ロミオの青い空』の全話が無料公開中だが、この作品は自信を持って今の子どもたちにもオススメできる屈指の名作アニメだ。すでに視聴済みの人も、まだ見たことない人も、期間限定なのでこのチャンスをお見逃しなく!
(ふたまん編集部)