■独特のゲームシステムに注目

 先に述べた本作ならではの「ユニークなシステム」について紹介したいと思います。まず、このゲームには「せいめいほけん(生命保険)」というシステムが存在。これに加入していれば、たとえ全滅しても所持金が半減しないという驚きのプレイヤー救済システムでした。

 ただし生命保険に入ってむちゃな戦いに挑むような強引なプレイも可能だったので、ゲームとしての緊張感にやや欠ける部分は無きにしもあらず……。ですがファミコン時代は難解なゲームも多かったので、こういうプレイヤーライクなシステムや、ほどほどの難易度に抑えられていた点は子どもにとってちょうどいい調整だった気がします。

 ほかにも、設定した目標額までお金が貯まると知らせてくれる「こづかいちょう(小遣い帳)」や、未探索の画面外のフィールドを紙飛行機を飛ばして偵察できる「かみ(紙)」、ダンジョンで地面に×印をつけられる「マーカーペン」など、ほかのRPGにはなかった斬新かつ便利な効果を持つアイテムがあり、初めて見たときは「これを使うと何が起きるんだろう」とワクワクさせられた記憶があります。

 戦闘時には仲間に戦い方を指示することが可能で、戦闘はオートバトル。全員が違う敵を攻撃する「ぶんさん(分散)」、逆に敵1体を全員で攻撃する「しゅうちゅう(集中)」、敵の背後に味方1人を送りこんで防御力を下げる「まわりこむ(回りこむ)」などが選べるのもありがたい限り。また本作は基本4人パーティで行動しますが、たまにパーティメンバー以外のキャラクターが戦闘中に助っ人として駆けつけてくれるのも面白い要素でした。

 そして地味にうれしいのは、ゲーム再開時に見られる“おまけ”の存在。本作では一度ゲームを中断したあと再度続きからプレイするときに、前回までの「あらすじ」をおさらいするデモ画面が流れます。これはストーリーの進行状況に応じて変化し、バリエーションも豊富。まるで紙芝居を見ているようなデモはグラフィックも美しく、久々のプレイ時にはありがたい要素でしたね。

まるでムービーのようにも見える、あらすじのデモ画面
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