■過酷な運命に翻弄される少年&少女の物語がランクイン
第3位(7.5%)にランクインしたのは、世界名作劇場シリーズの11作目となる『小公女セーラ』(1985年放送)。インドの富豪の一人娘セーラ・クルーは、ロンドンにある寄宿学校に入学。持ち前の優しい性格と面倒見の良さで人気者になるが、一部の生徒や院長からは嫉妬されることに。そんなときインドにいた父親が破産した上、熱病で死去。学校からの追放だけは免れたセーラは使用人として無賃で働かされ、彼女に悪意を持つ生徒から執拗なイジメを受ける。
しかし、どんなツライ境遇に置かれてもけしてくじけず、優しさを失わないセーラの姿勢に感動した人は多いことだろう。最終的に父の盟友の手により莫大な資産を継承することになったセーラは、さんざんイジメられた学院を助けるために大金を寄付し、生徒に戻るという聖女のようなふるまいを見せた。
続く第2位(13.5%)に支持されたのは、世界名作劇場シリーズの2作目である『母をたずねて三千里』(1976年放送)。主人公の少年マルコ・ロッシが、イタリアから母のいるアルゼンチンのブエノス・アイレスまでを旅する物語。貧しいロッシ一家の借金返済のため、マルコの母はアルゼンチンまで出稼ぎに行くことに。それをイタリアで待つマルコだったが次第に母からの手紙は途絶え、病床に伏していることが判明。そのことを知ったマルコは、アメデオという白いサルと一緒にブエノス・アイレスを目指して出発する。
10歳の少年の苦難に満ちた長い旅路だったが、さまざまな人々の助けを得ながら無事母親のもとに到着。母と子の再会のシーンは大きな感動を呼んだが、旅を通じてマルコは自分の父親の偉大さに気づき、父と子の絆がしっかり描かれていた点も良かった。
なお同作も『赤毛のアン』同様に高畑勲氏が演出を務め、場面設定・レイアウトは宮崎駿氏が担当。スタジオジブリ作品でおなじみのコンビが制作に携わっている。