■吉川が語った「生きざまを背中で伝えられるような男」

 仮面ライダースカルについては、昨年6月に『週刊スピリッツ』(小学館)誌上で行われたインタビュー企画「ハードボイルドの帰還」で、吉川自身が役への思い入れを見せている。

「スカルはもう、デザインから気に入っていましたね。カラフルじゃなく、モノトーンだというのも好みに合っていたし、なんといっても変身後もハットを被っているっていうのがすごい(笑)」(『ハードボイルドの帰還』より)

 インタビュー全文は同年7月に発売された漫画『風都探偵』第6巻(小学館)に収録されているが、「自分自身も最初の仮面ライダーブームを経験していて、胸を躍らせて観ていた」「他のオファーが重なっていたとしても、仮面ライダーを選んでいた」と、仮面ライダーについての愛を感じさせるコメントもしていた。

 “鳴海壮吉”名義で作曲を手掛けた挿入歌『Nobody's Perfect』や、大黒摩季とのデュエットソング『HEART∞BREAKER』も、『W』以降の吉川のライブツアーで披露される機会が多く、直近では昨年2~9月の全国ツアー『KIKKAWA KOJI 35th Anniversary Live TOUR』で披露されている。

 余談だが、吉川は2006年の水嶋ヒロ(36)主演の映画『仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』でも主題歌『ONE WORLD』を提供しており、こちらもファンの間で根強い人気を誇る一曲だ。作詞作曲を吉川が行った、仮面ライダーへの熱いラブソングである。

 前述のインタビューでは「鳴海壮吉のように、生きざまを背中で伝えられるような男になるのが理想ですね」と今後について話していた吉川晃司。『由利麟太郎』で多くの視聴者を魅了する理由は、吉川自身が鳴海壮吉から学んだ背中のカッコ良さにあるのでないか。

(特撮ライター・トシ)

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