■この難解コマンドを入力できた?
初代『サムライスピリッツ』から1年後の1994年10月には、続編となる『真サムライスピリッツ 覇王丸地獄変』が登場。これもハマったゲームのひとつです。
牙神幻十郎やナインハルト・ズィーガーなどの新キャラが加わり、使用可能キャラは15名に増加。基本的なゲーム内容は初代『サムスピ』を踏襲するものでしたが、グラフィックが大幅に向上し、新要素も盛りこまれていました。
そのひとつが「武器破壊技」という、いわゆる超必殺技に相当する大技の追加です。この武器破壊技は、怒りゲージが最大のときにだけ使うことができ、ヒットするとその名の通り、相手の武器を破壊して一定時間“素手状態”にするというもの。
ゲームセンターでの対戦時に、つばぜり合いで相手が武器を落とした場合は、何もせずに武器を拾うのを待つ「武士道精神」にあふれたプレイをする人もいましたが、武器破壊技後は問答無用で攻められるイメージ。もっとも武器破壊技をガードされると手痛い反撃を食らうのは必至なので、気軽に出せる技ではないんですけどね……。
また、覇王丸、ナコルル、服部半蔵、ガルフォードの4人には、“秘奥義”という隠し大技も存在。この秘奥義のコマンドがあまりにも難解すぎて、当時話題になったことを覚えています。
例えば、覇王丸の秘奥義「天覇封神斬」のコマンドを自分なりの覚え方で説明すると「前方斜め下にレバーを入れた後、後ろから逆時計回りにレバーを半回転させ、逆昇龍拳コマンド+BCボタン同時押し」というもの。格闘ゲームに詳しくない人には何を言ってるのかさっぱり分からないと思いますが、とにかく複雑すぎるコマンドで自在に出せる人は尊敬されたほどなのです。
新キャラクターに目を向けると、牙神幻十郎は個性的なボイスと花札をモチーフにした技がとにかくカッコよかった! いわゆる波動拳コマンドを3連続で入れる「三連殺」という突進技が便利だったのですが、うっかり昇竜拳コマンドの「光翼刃」のほうが出てしまうことも多く、使いこなすのがなかなか難しいキャラでしたね。
ちなみに新キャラのナインハルト・ズィーガーは、ゲームの発売前から一部で大人気に! 詳しい説明は割愛しますが“シゲル”の愛称でピンとくる人は、おそらく雑誌『ゲーメスト』の愛読者でしょう。