■初心者が使うと泣きを見る美少女キャラ
初代『サムスピ』で使用可能なのは、12人の個性豊かな剣豪たち。ゲームタイトル通りの“侍”らしいキャラは、覇王丸、橘右京、柳生十兵衛の3人くらいで、あとはまったく忍んでない忍者のガルフォードやアースクェイク、謎の仮面をかぶったタムタム、もはや人間であるかも怪しい緑色の体をした不知火幻庵など、なかなか強烈な顔ぶれ。
なかでもとくに注目を集めたのが、自然を守るために戦うアイヌ民族の少女「ナコルル」でしょう。魅力的な女性キャラクターが目立つSNKの作品ですが、このナコルルと『餓狼伝説』の不知火舞の人気ぶりは別格だったと記憶しています。
そんな『サムスピ』の看板娘的なナコルルは見た目がかわいくて思わず選びたくなるのですが、実際に使ってみると攻撃の間合いが狭く、想像以上にテクニカルなキャラクター。しかも、やたらと気絶しやすく、機動力を活かしてコツコツとダメージを奪っても、相手の強斬り一発でピヨって逆転負け……なんて悲しい展開も少なくありませんでした。
初代『サムスピ』は対空技が強く、いわゆる“待ち”の戦法が強い印象。しかし、最強の呼び声が高かったシャルロットだけは別格で、素早いモーションから繰り出すジャンプ強斬りは“めくり攻撃”にもなり、とにかく強力! おまけにガードすると着地時に投げられたりもするので、対戦プレイではシャルロット使いにかなり苦しめられた記憶があります。
仲間内の対戦では、その巨漢から「通常投げが通用しない」特性を持つアースクェイクが猛威をふるいました。とくに画面端でのガン待ち戦法が強かったのですが、ゲームセンターの猛者が相手だと軽くいなされて完敗……。連続技がほとんどないゲームなので実力差は出にくいと思いきや、上手な人は立ち回りの研究や各キャラクター対策に余念がないので通用せず。シンプルに見えて、やりこみがいのあるゲームだったんですよね。