■未完の大器と呼ばれ続けた『キン肉マン』の名脇役
時代をグッとさかのぼって、お次はゆでたまご氏の傑作『キン肉マン』の名脇役から。こちらも数多くのキャラクターが登場する漫画です。
その中の名脇役というと……ウルフマン? 全身をバラバラにされたスプリングマン戦のインパクトは強烈でした。見た目と名前が衝撃的なベンキマン? 新シリーズ「完璧超人始祖編」ではイケメンになっているんですよね。それともスペシャルマン? カナディアンマン? いや、その2人はただのやられ役超人です(失礼!)。
超人プロレス漫画『キン肉マン』だからこそ、名脇役にもそれなりの活躍はしていてもらいたいところ。そんな条件を踏まえて考えると、ぜひ推したいのが「ブロッケンJr.」です。
キン肉マンの盟友としてはテリーマン、ロビンマスク、ラーメンマンらが有名ですが、彼らはキン肉マンと並び立つエース級のポジション。個々の人気で言えば、主役のキン肉マン以上かもしれません。そのため脇役と呼ぶには輝きすぎており、その点ブロッケンJr.のポジションは“絶妙”です。
ドイツ軍服を身にまとい、必殺の手刀“ベルリンの赤い雨”を振るう姿はスタイリッシュでカッコ良いのですが、いまいちテリーマンたちのようなスター性がない彼。
悪魔六騎士の1人、ザ・ニンジャを相手にほぼ相討ちながらも勝利しているし、「キン肉星王位争奪編」ではプリズマンを道連れにするという活躍を見せました。しかし常に辛勝、かつ露払い的なポジションだったので、なんとなく地味な印象は拭えません。
ですが、ブロッケンJr.は試合のないところでもキン肉マンたちをサポートし、正義超人軍団には欠かせない縁の下の力持ち。まさに「王や長嶋はヒマワリ、俺は月見草」という故・野村克也さんの名言を地で行くような名脇役キャラクター。それがブロッケンJr.という男なのです。
新世代を主人公にした続編『キン肉マンⅡ世』では、ブロッケンJr.が酒浸りの自堕落な生活を送っているという衝撃のシーンも。その後、孤児のジェイドを弟子にして鍛え上げる、武骨で厳しい師匠となります。こうした日陰者っぽい役柄が似合うのも、彼を名脇役として推薦したいポイントです。