■もしVR空間でのトークが主流になったら……?
今、SNSは文字や写真がメインで平面の世界に見える。でもVR空間で3DCGのアカウント&アバターを使っての交流も普通になってきている。バーチャル受肉などと言われ、新しい自分へ異世界転生する気持ちで利用している人もいるはずだ。立体になるとリアリティが増して、ますます現実味が増す。平面のSNSでも「なりすまし」のようにアイコンと名前を変えるだけでどんな人物にでもなれる。もう、現実空間か仮想空間か、その違いは平面かそうでないかでしか区別できないところまで来ているのではないだろうか。
セカンドライフの現在を調べてみると想像を超えるような盛り上がり方はしていないものの、今も存在しているようだ。セカンドライフで出来ることは、人との交流や商売といった生活そのもの。SNS中心のオンライン上での人との交流、デジタル通貨を含むオンラインでのお金の流れが定着している2020年は、生活がセカンドライフのシステムにどんどん近づいていっていると言えるし、セカンドライフの「意志」は今も続いていると感じる。
今、オンラインでのやりとりが遊びやエンタメの場面以外に強く広がってきている。オンライン会議、オンライン飲み会、日常のやり取りさえオンラインなのだ。今はまだビデオ通話が主流かもしれない。様々な企業がよかったら使ってねとビデオ通話の合成用背景を配布してくれた。ではビデオ通話が平面から立体になって、VR空間でのトークが主流になったら? 企業は素晴らしいアバターアイテムの販売をしてくれるんじゃなかろうか。買う? 買わない? これはゲーム内での課金とはまた違う、社会での課金。これは現実で服を買うのと同じなのだ。
自撮りが盛れる写真加工アプリがあるが、最初からめっちゃかわいいどこから撮っても盛れる顔のアバターにすればそれも必要ない。現実で全身ブランド物に身を包んだセレブマンと、ネトゲで見かけるとんでもなくお金のかかった装備ですれ違うユーザーから一目置かれ思わずスクショを撮りたくなるような玄人プレーヤー。今後どちらが増えていくだろうか。
SNSで出逢って結婚するなんて話は珍しくなくなってきたが、仮想世界で出逢って結婚し、仮想世界で一緒に生活し、仮想世界で喧嘩して離婚、というのも今後は当たり前になるかもしれない。今まさに、セカンドライフがメインライフに変わっていく様を見届けているのかもしれないと思うと、妄想好きのアラサー声優はわくわくが止まらないのである。